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Tuesday, June 7, 2022

ティア Research Memo(6):22年9月期業績予想を上方修正するも、なお上振れ余地あり | 特集 - 株探ニュース - 株探ニュース

ティア <日足> 「株探」多機能チャートより

■今後の見通し

1. 2022年9月期の業績見通し
ティア<2485>の2022年9月期の連結業績は売上高で前期比7.1%増の13,070百万円、営業利益で同9.8%増の975百万円、経常利益で同9.4%増の960百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同10.6%増の600百万円と期初計画の減益見通しから一転、増収増益へと上方修正した。売上高については第2四半期までの上振れ分を期初計画から上積みし、下期については葬儀件数、葬儀単価ともに据え置いた。一方、営業利益は第2四半期までの上振れ分408百万円に対して、下期に追加補正予算として165百万円(広告宣伝費49百万円、支払手数料41百万円、DX関連投資75百万円)を積み増す予定にしており、通期の上振れ額については245百万円と第2四半期累計よりも縮小する計画となっている。

新規出店については下期に直営店舗で計画通り2店舗(三重県1店舗、関東地区1店舗)の出店を行い、FC店舗については5店舗の計画に対して1店舗(愛知県)が確定している。通期の直営店舗数は前期末比6店舗増の83店舗となる見通しだ。直営店の葬儀件数は前期比9.1%増の13,744件、葬儀単価は同1.0%減の828千円としている。下期の葬儀件数は前年同期比で5.7%増を計画しているが、第2四半期までの状況を見ると上振れが期待される。一方、下期の葬儀単価は同1.6%増の842千円としているが、4月以降も同水準までは回復していないようで、今後のコロナ禍の状況次第で下振れする可能性がある。ただ、まん延防止等重点措置等が再び発出されるようなことがなければ、単価下落は件数の増加で吸収し、売上高は計画を達成できるものと弊社では見ている。なお、既存店については葬儀件数で前期比4.0%増、葬儀単価で同0.9%減、売上高で同2.9%増を見込んでいる。

売上原価率は前期比0.9ポイント低下の60.2%を計画している。引き続き業務の内製化を推進していくことにより、商品原価率で同0.4ポイントの低下を見込んでいる。一方、新店稼働に伴う労務費や会館固定費の増加、賃金制度改定に伴う労務費の増加、並びに子会社の業容拡大に伴う固定費の増加などが見込まれるが、増収効果によって労務費率は同0.1ポイント、雑費率は同0.3ポイントの低下を見込んでいる。子会社の業容拡大に関しては、2022年7月に生花事業について中部地区に2拠点目を開設する予定となっているほか、関西地区における「湯灌・エンバーミング※」のサービスエリアをFC向けも含めて拡大していく予定となっている。

※エンバーミングとは、遺体を消毒や保存処理、また必要に応じて修復することで10日間から2週間程度、腐敗させることなく保存を可能にする技法のこと。遺体から感染症が蔓延することを防止する目的もある。エンバーマーと呼ばれる資格が必要で、専用施設にて処置を行う必要があるため、葬儀費用とは別に15~25万円の費用が掛かる。

一方、販管費率は前期比0.7ポイント上昇の32.4%を計画している。管理職や営業人員の増員並びに賃金制度改定、法定福利費の適用範囲拡大等によって、人件費率が同0.6ポイント上昇の16.1%となることが主因だ。広告宣伝費率は同0.3ポイント低下の7.6%、その他経費率については同0.4ポイント上昇の8.6%を計画している。金額ベースでは前期比365百万円増となり、第2四半期累計の86百万円増に対して、下期は279百万円増加する計画となっている。人件費の増加に加えて、前述した追加の補正予算を組んだことが要因となっている。ただ、人件費については毎期保守的に策定しており、今後、人員の採用が想定以上に増えるようなことがなければ1億円程度の利益増要因になると弊社では見ている。期末人員数については前期末比20名以上の増員を見込んでいるが、第2四半期末は前期末比5名減の570人となっている。2022年4月に新卒社員17人が入社したが、離職者がでることも考えると増員数は計画よりも小幅にとどまる可能性がある。

下期の補正予算の内容について見ると、広告宣伝費(49百万円)については中部地区で中吊り広告等の広告費を積み増すほか、葬儀件数が伸び悩んだ関西地区でテレビCMを放映し認知度の向上を図っていく予定にしている。支払手数料(41百万円)は人事制度の全面刷新を前倒しで実施するためのコンサルタント会社への支払手数料となる。2023年9月期の予算として70百万円を予定したうちの一部を前倒しで計上することになる。また、DX関連投資(75百万円)については、アプリの開発強化に加えて社員へのスマートフォン支給を前倒しで実施することによるものとなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《ST》

 提供:フィスコ

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