●高校時代は0勝「すごい不思議」
プロ野球・楽天本拠地の仙台で、穴水が生んだ190センチの長身右腕が輝いた。2万5千人超が見守る中、2年目の松井友飛(ともたか)投手(23)=穴水町出身、金沢学院大OB=が待望の初勝利。「高校時代に1勝もできなかったのが、プロに来て1勝できるというのはすごい不思議」。無名球児が歩む出世街道に地元は歓喜し、本人も「息の長い選手になる」とさらなる活躍を約束した。
選手紹介で大歓声を浴びながら、背番号45は深呼吸してマウンドへ。いきなり先頭打者に安打を許す。初回は緊張したというものの、「一人一人向き合おう」と冷静さは失わなかった。ロッテ打線をわずか3安打に抑え、5回無失点で降板。ベンチで勝利の瞬間を見届け、コーチ陣や仲間からの祝福に笑みがこぼれた。
穴水小3年で野球を始め、穴水中では外野を守った。穴水高に入って投手に転向。しかし、最後の夏も初戦で敗れるなど公式戦は0勝に終わった。引退を選択肢に入れたが、「諦めきれない。自分の可能性を見極めてから」と思い直し、金沢学院大への進学を決めた。
大学では全国から集まった仲間としのぎを削り、力を伸ばした。入学前に130キロ台だった球速は154キロに到達。同期の長谷川威展(たけひろ)投手(埼玉県出身、現・北海道日本ハムファイターズ)と「二枚看板」として注目され、ドラフト5位指名を受けた。
ルーキーだった昨年は7月に1試合のみ先発登板(西武戦)し、4回4失点で力不足を痛感。ただ、この日は粘り強い投球が光った。「修正する力がしっかり出た。勝ち投手だという実感があまりないけど」と振り返る顔に充実感が広がった。
●ウイニングボールは実家に
「きょうが彼の始まりだと思う。歩みを止めずに頑張ってほしい」と石井一久監督。お立ち台で歓声を浴びた松井投手は「(ウイニングボールは)実家に飾りたい。1勝1勝、重ねていきたい」と力を込めた。
●母「感謝を忘れず」
母真智子さん(55)は「皆さんのおかげで勝つことができた。これからも感謝を忘れずに頑張ってほしい」とエールを送った。
穴水学童野球クラブで指導した元監督の西尾由則さん(72)は「昨年亡くなったお父さん(真二さん)が一番喜んでいると思う」と語り、山岸丞君(穴水小6年)ら選手も先輩の活躍に誇らしげだった。
●金沢学院大「後輩の励みに」
金沢学院大野球部からはこれまで3投手がドラフトでプロ入りしている。角(かく)尾(お)貴宏監督はOBの初勝利を喜び「後輩たちの励みになる。きょうがスタート」と飛躍を願った。
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