2.配当予想修正の理由
当社グループは、成長投資と株主還元のバランスを取りながら企業価値の最大化を図り、中長期的な利益成長を株主の皆さまにも実感していただける施策を推進しています。配当につきましても、DOE 4%以上を指標に、企業価値の成長に応じて安定的に高めていくことを目指しております。2022年度も、2020年6月公表の中期経営計画STS2030に則り、創薬型製薬企業としての強みをさらに進化させ、ヘルスケアサービスを提供するHaaS*企業へと自らを変革し、社会に対して新たな価値を提供し続けていくことで、患者さまや社会が抱える困りごとの解決に貢献することをビジネスの方向性に掲げ取り組んでまいりました。
その成果として、先行投資を続けてきた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬ゾコーバにつきまして、2022年11月22日付で国内の製造販売承認を取得し、日本政府による200万人分の購入に伴う売上収益を計上いたしました。2022年3月31日からは、国内で一般流通を開始し、必要な患者さまに本薬を速やかにお届けする体制下で、早期診断・早期治療の実現に資する活動を進めております。また、中国・韓国を中心としたアジアでの実用化に向け供給体制の構築をはかるとともに、欧米を含めたさらなるグローバル展開に向け臨床試験を進展いたしました。
また、COVID-19に対する予防ワクチン(開発番号:S-268019)について、2022年11月24日付で日本国内における製造販売承認申請を行い、現在厚生労働省および医薬品医療機器総合機構による審査が進められています。流行によらない持続的な感染症ビジネスモデルとして、ワクチン事業を次なる収益ドライバーとする取り組みが大きく前進いたしました。
さらに、次なる成長ドライバー候補である複数の開発プロジェクトについても積極投資の結果として臨床試験のステージアップを実現し、今後の更なる成長に向けた強固な基盤が構築できたと考えております。
これら取り組みに加えて、英国ViiV Healthcare Ltd.(以下、ヴィーブ社)によるHIVフランチャイズの売上が、ドウベイト、Cabenuvaなどの新製品を中心に大きく伸長し、ViiV社から堅調なロイヤリティー収入、配当金を受領しました。HIVフランチャイズにつきましては、長時間作用型製剤であるCabenuva、Apretudeの市場浸透が大きく前進しており、中長期的な成長が期待されます。
上記の成果によりSTS2030を前倒して改定する予定であり、2023年3月期の良好な通期業績が見込めるとともに、2024年3月期以降の持続的な成長が期待されます。これらの背景ならびに財務状況、STS2030の株主還元指標であるEPS、DOE、ROE等を総合的に勘案した結果、前回発表(2022年5月11日)の期末配当予想を1株当たり15円増配の75円に修正することといたしました。これにより、中間配当と合わせた年間の配当金は1株当たり135円となり、前期と比べて20円の増配となります。
からの記事と詳細 ( 2023年3月期 配当予想の修正(増配)に関するお知らせ - Shionogi )
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