新型コロナへの感染が確認された宮崎県の河野知事がのどの痛みを感じていたにもかかわらず、年末年始に初詣などに出かけていたことが分かりました。
一方、県はこの間の知事の動静について「公舎などで過ごした」と事実と異なる発表をしていました。
先月２５日に４回目の当選を果たした宮崎県の河野知事は今月２日に発熱し、新型コロナウイルスの抗原検査キットで調べた結果、陽性が確認されています。
県によりますと、河野知事はのどの痛みを感じていた先月３１日の大みそかに宮崎神宮など複数の神社を参拝し、元日には初詣にも出かけていたということです。
県内では先月から新型コロナの感染が再び急拡大しているため、県として「医療非常事態宣言」を独自に発令するとともに、体調に異変がある場合、外出を控えるよう県民に求め、知事自身も会見で協力を呼びかけていました。
一方、県の秘書広報課は知事の感染を発表した際、初詣などに出かけた事実を伏せ、「当日は公舎などで過ごした」と資料に記載していました。
河野知事はコメントを出し、「知事選でのどを酷使した影響だと考えていた。感染対策を指導すべき立場の者としてもっと慎重に判断するべきだった」と陳謝しています。
また、秘書広報課の対応については「正確な情報提供を第１に考えるべきだった。心からおわび申し上げます」としています。
【県の広報担当課長は】
知事の感染を発表した際、初詣に出かけた事実を伏せたことについて、県秘書広報課の長友修一課長は「県民に無用な心配をかけてはいけないという思いからだったが、考えが十分でなかった。今後は、２重３重のチェック体制で信頼される情報を提供していきたい」と話しています。
【県職員 地元紙に知事の動静記事の修正依頼 地元紙は応じず】
この問題をめぐっては、県の職員が知事の動静記事を掲載している地元紙に対し、内容の修正を依頼していたことも明らかになっています。
県によりますと、今月１日の夜、秘書広報課から当日の知事の動きとして初詣に出かけたことを地元紙の宮崎日日新聞社に情報提供しました。
ところが、翌日に知事の感染が確認されたことを受け、掲載予定の記事を「終日公舎などで過ごす」という内容に修正するよう電話とメールで依頼したということです。
この際、知事の感染についても伝えたということです。
これに対し、地元紙は依頼に応じず、初詣の事実を伝える記事を３日付けの紙面に掲載しました。
県秘書広報課では「初詣の際に知事との濃厚接触者がいなかったため、県民に無用な不安を与えるのはどうなのかと考えた職員が、掲載内容を変更できないかと相談した。もっと慎重に判断すべきだった」と釈明しています。
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