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Thursday, September 8, 2022

ECB、初の0.75%利上げ 一段の引き上げ示唆 - ロイター (Reuters Japan)

[フランクフルト/ベルリン 8日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は8日の理事会で政策金利を0.75%引き上げた。エネルギー危機を受けてリセッション(景気後退)の可能性が高まっているにもかかわらず過去最大の利上げに踏み切ると同時に追加利上げを示唆し、インフレとの戦いを優先させる姿勢を鮮明にした。

 9月8日、欧州中央銀行(ECB)は政策金利を0.75%引き上げた。エネルギー危機を受けてリセッション(景気後退)の可能性が高まっているにもかかわらず、過去最大の利上げに踏み切った。写真はECBの建物。7月撮影(2022年 ロイター/Wolfgang Rattay)

中銀預金金利は0.75%、リファイナンス金利は1.25%と2011年以来の高水準となった。インフレが広がり定着するリスクが高まっていることが背景にある。

ECBは声明で「需要を抑制し、インフレ期待が持続的に上方へシフトするリスクを避けるために、今後数回の会合で金利をさらに引き上げると予想している」と表明した。10月と12月の理事会でも利上げが実施されるとみられる。

市場では0.75%の利上げ確率が80%となっていた。ロイターがまとめたエコノミスト調査では0.75%の利上げ予想は半数をわずかに上回っていた。

ラガルド総裁は理事会後の記者会見で、インフレ率を中期的な目標である2%に近づけるための利上げを「前倒し」し、金利を0.75%ポイント引き上げる必要があるとの見解で政策担当者は一致していたとし、「まだ旅路の半ばにある」と述べた。

その上で「今回は単独の決定ではない。一段の利上げを実施していくということだ」としながらも、「0.75%ポイントの幅での利上げが普通であるかのように、このペースで利上げをしていくとは言っていない」と語った。

ECBはインフレ予想を引き上げ、予測期間全体を通じて物価上昇率が目標の2%を大幅に上回ると予想。「ECBスタッフはインフレ予測を大幅に上方修正した。インフレ率は2022年に平均8.1%、23年に5.5%、24年に2.3%と予想している」とした。

成長率については、ウクライナ戦争の影響、特にエネルギー価格高騰の影響が来年に顕著に出ると想定。今年の予想を2.8%から3.1%に引き上げる一方で、23年は2.1%から0.9%に下方修正した。

ECBは、ウクライナ戦争に起因するエネルギー危機を受けここ数カ月で急上昇したインフレ率について低い予測をしたことで非難されている。これについてラガルド総裁は、新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)やロシアによるのウクライナ侵攻などの一部の主要な要因は予測不可能だったとし、スタッフ予測を擁護。「確かに予測ミスがあったが、こうした誤りは全ての予測で起きることだ」とし、想定不能な事態が起きたため、予測を修正する必要があったと述べた。

ドイツのリントナー財務相はECBの今回の利上げについて、ユーロ圏が「経済的に極めて困難な状況にある」ことを明確に示すもので、インフレとの戦いに備えなければならないと指摘。「インフレ対策を最優先事項としなければ、経済基盤が揺らぐ」との認識を示した。

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