チリ政府は9月12日、対内投資促進を目的とした「チリ投資計画(Plan Invirtamos en Chile)」を発表した。発表によると、政府は同計画により、2023年の投資額を5%増加させ、5~7万人規模の雇用創出を目指すとしている。
主な内容は次のとおり。
〇民間投資における税制上の優遇措置
・受動的所得(パッシブインカム)を有する企業に対する所得税の支払い猶予について、補償メカニズムを修正する。所得税猶予分の課税ベースは受動的所得を有する企業の累積所得ではなく課税留保中の資本所得に限定し、長期金利を参考に支払い猶予に伴う金利を決定。
・グリーン分野などに関連した特定のプロジェクトにおけて税制優遇措置を導入する(5億ドル規模の基金を通じて実行される見込み)。
・2023年中における資産の減価償却処理について、即時償却や加速償却を用いた損金算入制度を導入する。
・リース契約における、貸主および借り主に対する税制優遇措置を継続する。
・新規の銅採掘プロジェクトに対する従価税の課税を5年間免除する。
・中小企業向けの法人税率軽減措置を延長する(2023年は15%、2024年は20%)。
〇金融サービスへのアクセス改善
・新築住居購入における住宅ローンの10%を国が保証する。
・新築住居購入補助措置を延長する。
・産業振興公社(CORFO)を通じ、2022年中に中小企業向けの融資借り換えを支援するための資金を投入。2023年にはグリーン水素プロジェクトなどに特化した融資を実行する。
〇公共投資の促進とインフラ整備
・2023年の公共投資向け支出を前年比で10%増加させる。
・公共投資における手順や規則を簡素化し、小規模プロジェクトの遅延を解消する。
・都市部の大気汚染を抑制すべく、自転車専用道路の建設計画を進める。
〇外国投資の促進
・2022年第4四半期(9~12月)をめどに欧州および北米に所在する投資促進オフィスを再開する。
・投資促進チームの機能を強化し、新規プロジェクト数の増加、既存プロジェクトの推進を図り、2023年に20億ドルの投資呼び込む。
〇規制や許認可手続きの改善
・2023年予算の中で、投資実行に必要な手続きを円滑化するための特別基金を設ける。
〇投資促進のための官民パートナーシップの強化
・建設、エネルギー、運輸、鉱業などの分野における官民合同のワーキンググループを設置する。
・経済省の管轄のもと、地方における投資プロジェクトの進捗を管理する委員会を設置する。
(岡戸美澪)
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