バイデン米大統領は先に、社会保障拡充計画の財源確保策の一環として、富裕層が資産相続時の税負担を大きく減らせる優遇制度の廃止を提案した。これに対し下院民主党では、政権案の増税効果を軽減する案を検討する動きがあり、格差是正も意図した税制改革案には紆余(うよ)曲折が予想される。
政権案では、相続資産のキャピタルゲイン(売却益)を計算するベースを該当資産の取得時の価格ではなく、相続時の市場価格に修正する「ステップアップ」方式が廃止される。実現すれば、富裕層が支払う遺産税は大幅に増える。
一方、事情に詳しい複数の関係者が匿名を条件に明らかにしたところでは、下院歳入委員会のニール委員長(民主)のスタッフは、相続資産の売却がない限り、税金支払い繰り延べを認めるアイデアを提案。18日の電話会議で進歩派団体や税務専門家に同案が示された。
この電話会議について問われたニール委員長は、政権の税制改革案の詳細を説明する「グリーンブック」と呼ばれるリポートを財務省が今後数週間に公表する見通しで、「政権のさまざまな歳入案を精査し、歳入委の他のメンバーと今後の道筋の策定で協力することを楽しみにしている」とする声明を発表した。ホワイトハウスはコメントを控えた。
ニール委員長のスタッフの提案では、莫大(ばくだい)な遺産の相続で資産売却を行わないインセンティブが働くことになる。「ロックイン効果」と呼ばれるもので、バイデン大統領の社会保障拡充に向けた1兆8000億ドル(約196兆円)規模の「米国の家族のための計画」を支える税収が目減りすること意味する。
原題: Democrats Mull Weakening Biden Tax on Capital Gains for Estates(抜粋)
からの記事と詳細 ( 米下院民主党で大統領案の軽減検討-相続資産のキャピタルゲイン税で - ブルームバーグ )
https://ift.tt/2Sb3rsB
No comments:
Post a Comment