自民、公明両党が「LGBT理解増進法案」の修正案を国会に提出したことを受け、「LGBT法連合会」(東京)が23日、東京都内で記者会見し、「性自認」を「性同一性」に修正するなどの内容に懸念を表明した。(奥野斐)
◆「障害の概念に引っ張られるのでは」
神谷悠一事務局長は「性同一性障害の一部である『性同一性』は法制上、障害と結び付ける以外に使われていない。障害の概念に引っ張られるのではないか」と指摘した。
会見にはトランスジェンダー当事者も出席。男性から女性への性別移行に10年以上かかったという時枝穂さんは「希望する性別で働けない、外出時はトイレを我慢する、医療サービスを受けるのも控えるなど、さまざまな困り事がある。正しく理解が広まることを望んでいる」と訴えた。
木本奏太さんは、24歳の時に全身麻酔をして乳房と子宮卵巣を切除したことを明かした上で、「『性自認』は簡単に変えられるわけではない。少なくとも『今まで男性だった人が明日から女性になる』という感覚は一切ありません」と強調した。
◆チキラボ調査 同性婚、差別禁止法 反対は20%以下
評論家の荻上チキさんが所長を務める調査団体「社会調査支援機構チキラボ」(東京)は23日、同性婚の法制化やLGBTQ(性的少数者)差別禁止法の制定への賛否を尋ねた調査結果を発表した。いずれも賛成が4割超で反対を大きく上回った。
調査は4月13〜18日にインターネット上で実施し、全国の18〜79歳の1000人が回答した。
同性婚の法制化に「賛成」「やや賛成」と答えた人は計45.1%、「反対」「やや反対」は計17.0%にとどまった。差別禁止法には「賛成」「やや賛成」が計41.5%、「反対」「やや反対」は計16.2%だった。一方、国会で議論されている「LGBT理解増進法案」を念頭に、性的少数者の基礎知識を国が啓発する法律への賛否では「賛成」「やや賛成」が計37.0%に上った。同団体は「性的少数者に関する政策への反対は少ないといえる」としている。
性的少数者のメンタルヘルスに関する調査結果も公表した。調査は昨年11月と今年4月にネット上で実施し、2000人が回答。「性的少数者である」を選択した人は1.1%、「非選択」は96.6%、「答えたくない」は3.5%だった。抑うつ・不安が中程度以上の人の割合は、当事者が42.9%で、非当事者を上回った。
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