[東京 21日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比59円30銭安の2万6508円73銭と、5日続落した。日銀の金融政策決定会合後の株安の流れが続き、日経平均は軟調に推移した。自律反発狙いの買いで一時、プラス転換する場面もあったが上昇の勢いは乏しく、小幅安の水準で小動きとなった。為替の円高進行が嫌気され、特に自動車など輸出株が売られた。
日経平均は朝方小安くスタートした後、一時、前営業日比約290円安の2万6269円80銭の安値を付けた。半導体や電子部品の関連銘柄が軟調で、相場の重しとなった。ただ、市場では売られすぎとの指摘も聞かれ、自律反発狙いの買いが流入。一部の値がさ株がプラス圏に浮上し、株価を下支えした。
各国の主要中銀が金融引き締めを強化し、株式市場の重しとなっていた中、「日銀が大規模金融緩和を続けてきたことで日本株は下落率が抑えられていた」(国内証券・ストラテジスト)という。ただ、今回の日銀の政策修正を受けて株安となり、「この調整ムードがどの程度でとどまるか注目される」(同)との声が聞かれた。
SMBC信託銀行・投資調査部長、山口真弘氏は、きょうも昨日の株安の余波が続いていると指摘した一方、「日銀が連続的に政策修正するわけではないため、売りが一服した後は小康状態になるのではないか」と話す。目先の日経平均は水準を切り下げながらも、2万6500円から2万7000円程度で上下動するのではないか、という。
TOPIXは0.02%安の1905.39ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は2兆0286億5900万円だった。東証33業種では、銀行業、海運業、保険業など15業種が値上がり。輸送用機器、不動産業、電気機器など18業種は値下がりした。
個別では、トヨタ自動車が1.8%安、スズキが2.7%安、ホンダが1.9%安と軟調。ドル/円の円高進行を受けて、企業業績の下方修正懸念が強まっているという。
半面、金融株が堅調で、三菱UFJフィナンシャル・グループが5%高で推移し、年初来高値を更新した。三井住友トラスト・ホールディングス、みずほフィナンシャルグループもしっかり。日銀が長期金利の変動許容幅の拡大を発表した前日から物色が活発になっている。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが793銘柄(43%)、値下がりは960銘柄(52%)、変わらずは85銘柄(4%)だった。
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