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Tuesday, November 29, 2022

ツイッターどうなる?イーロン・マスク氏のねらいは|サクサク経済Q&A|NHK - nhk.or.jp

世界一の富豪として知られる、起業家のイーロン・マスク氏に買収されたツイッター。会社は非上場化され、全権を握るマスクCEOのもとで、連日、大きな改革の波にさらされています。世界で1日あたりの利用者が2億人を超える巨大SNSは、マスク氏のもとでどう変わっていくのか。ツイッターにまつわるさまざまな疑問に、ロサンゼルス支局の山田奈々記者が答えます。

ツイッターの買収後、マスク氏が社員などの大量解雇に踏み切っていると連日、報じられています。

どれぐらいの社員が会社を去っているのですか?

マスク氏は買収からおよそ1週間後の11月4日には世界の社員の半数の解雇に踏み切ったことを認めました。

2021年末の時点で社員数は7500人で、今回4000人規模の解雇になるのではないかとみられていました。

アメリカのメディア、ブルームバーグは11月21日までに解雇や退職によって削減された社員は、全体の6割以上にあたる5000人規模にのぼると伝え、残っている社員は2750人だとしています。

山田記者

山田記者

残った社員に長時間労働を迫ったという記事も見ました。

マスクCEOがツイッターの社員宛てに送った電子メールがアメリカのメディアに報じられました。

このメール、タイトルは「分岐点」となっています。

山田記者

山田記者

すごいタイトルですね。

ですよね。

メールのなかでマスクCEOは、「今後、画期的なツイッターをつくり、競争が激しくなる世の中で成功するためには、極めて激しく仕事をする必要がある」などと述べ、「これは長時間、猛烈に働くことを意味する」と書かれていたんです。

そしてそのまま社員として仕事を続けたい場合はアメリカ東部時間の11月17日午後5時までにリンクの「はい」をクリックするよう求めたんですね。

「いいえ」のボタンはなく、「はい」を押さなかった人は退職を希望するとみなされ、3か月分の給与が退職手当として支給されるという内容でした。

山田記者

山田記者

日本ではちょっと考えられないですね。

マスク氏はアメリカ人の多くが休みをとる祝日・感謝祭である11月24日にも「Have a great Thanksgiving!」と投稿したのに続き、これまで利用を停止していたアカウントの大規模な復活を開始すると明らかにしました。

私たち記者もマスク氏のツイートに常に目を配らなければなりません。

山田記者

山田記者

ところでなぜ大規模な解雇をしているのでしょうか。

ひと言で言うと、コスト削減のためです。

ツイッターは、2021年通期の決算は売り上げは増えたものの、2年連続で最終赤字になりました。

ことし4月から6月までの3か月間の決算でも、インターネット広告の収入が伸び悩むなどして最終赤字となり、業績の不振が続いているんです。

山田記者

山田記者

なぜ広告収入が伸び悩んでいるのでしょうか。

ネット広告は景気減速の影響を受けやすいのです。

今、アメリカでは、FRB=連邦準備制度理事会が急ピッチな連続利上げを行ってますよね。

この先、景気の減速懸念が強まっていて、さきざきの景気が悪いとなると企業は真っ先に広告費を絞り込もうとするんですね。

さらに、マスク氏のツイッター買収後、GM=ゼネラル・モーターズやファイザーといった広告主が、買収による影響を見極めたいとして、ネット広告の配信を見合わせるという動きが相次ぎました。

言論の自由をかかげたマスク氏のもと、ひぼう中傷や差別的な投稿が増えると、企業としては広告を出しにくくなりますよね。

山田記者

山田記者

これだけ人が辞めると、業務はうまく回るのでしょうか?

そこは最も知りたいところですが、社内のようすはなかなか伝わってきません。

ただ、懸念はあります。

退職を選んだ人の中には、ソフトウエアの不具合を修正するエンジニアが多く含まれていたとされているためです。

ツイッターではこれまでも投稿にひぼう中傷や、暴力を扇動する内容などが含まれていないか、チェックを行ってきました。

AI=人工知能も使っていますが、社員も関わることで投稿内容の安全性を確保してきました。

多くの人材が会社を去ることで管理がうまくいくのか懸念する声があがっています。

山田記者

山田記者

投稿管理評議会って何ですか?

英語でcontent moderation councilといいます。

contentは英語で「内容」、moderationは、直訳すると「節度」ですが、インターネット分野で使われるときは「ネット上の記事や投稿をチェックする」という意味合いが含まれ、投稿管理評議会と訳されています。

マスク氏は買収直後にこの投稿管理評議会を設立すると表明しました。

「多様な価値観を取り入れる」ともコメントしていましたが、これまでのところ、設置したという事実は明らかにされていません。

また、マスク氏は、この評議会が招集されるまでは、アカウントの復活などは行わない方針も示していたんですが、実際には、これまで利用が永久停止されていたトランプ前大統領のアカウントや、差別的な投稿で利用が停止されていた保守系ネットメディアなどのアカウントも復活させています。

山田記者

山田記者

買収の後「ツイッターブルー」というサービスの名前を耳にするようになりました。どのようなものですか?

ツイッターブルーは、ツイッターが、2021年にアメリカやニュージーランドなど、一部の地域で始めた有料サービスです。

アメリカでは月額4ドル99セントを払うと、ツイート後の投稿を最大1分以内であれば取り消すことができたり、長いスレッドを読みやすい表示方法に変えたりといったことが可能です。

日本ではまだ導入されていません。

この有料サービスについて、マスク氏が買収後、リニューアルすると明らかにしています。

山田記者

山田記者

マスク氏はどのようにこの有料サービスを刷新しようとしているのですか。

マスク氏のツイッターのアカウントを見ると、名前の右横に青いマークがあるのがわかります。

このアカウントが本人のものだと証明する認証マークです。

これまで著名人や企業などに限定して付与されてきたものですが、マスク氏は、アメリカでの月額を7ドル99セントに値上げしたうえで、この認証マークを広く、一般の人も取得できるようにしました。

しかし、お金を払えば誰でも認証マークを得られる仕組みのため、導入後、ツイッター上ではなりすましが横行して偽のアカウントが急増。

このサービスは導入から1週間もたたないうちに中断を余儀なくされました。

山田記者

山田記者

12月2日から始める認証サービスとはどのようなものですか?

これまで著名人などに限定した形で付与していた認証マークを3つの色に分けます。

一般人も含め個人は青色、政府機関はグレー、そして企業には金色のマークが与えられるとしています。

偽のアカウント対策のため、人による確認を行い、信頼性を高める考えです。

マスク氏は、ツイッターブルーについて、認証マーク以外に、表示されるネット広告の量をこれまでの半分に減らしたり、より長尺の動画を投稿したりできるといった、特典を付けたりするとも明らかにしていて、どんなサービスになるのか、日本にも導入が広がるのかに関心が集まっています。

山田記者

山田記者

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