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Friday, July 22, 2022

福島第一原発処理水の海洋放出計画、規制委が認可 東電は海底トンネル掘削へ準備着々 - 東京新聞

 原子力規制委員会は22日の臨時会合で、東京電力が申請した福島第一原発の汚染水を浄化処理後の水を海洋放出する計画について、安全性に問題がなく政府方針の要求を満たしているとした審査書を決定し、計画を認可した。東電は今後、原発が立地する福島県と大熊、双葉両町の同意を得た上で設備工事に入る。

事故収束作業が続く東京電力福島第一原発=2022年3月17日、本社ヘリ「おおづる」から撮影

事故収束作業が続く東京電力福島第一原発=2022年3月17日、本社ヘリ「おおづる」から撮影

 会合では、5月19日~6月17日に実施した意見公募(パブリックコメント)に寄せられた1233件の意見を受け、審査書の内容を修正する必要があるかを話し合った。その結果、字句の修正のほかに大きな変更はないまま、審査書と計画の認可を決めた。

 認可を受け、福島県は7月中にも有識者会議を開いて設備や工事の妥当性を議論する見通し。その後、知事と2町長がそれぞれ工事に同意するかを判断する。東電は8月中に着工し、来春に設備を完成させて放出を始める工程を描く。

 ただ、政府と東電は2015年、福島県漁連に対して「関係者の理解なしにいかなる処分もしない」と文書で約束。全国漁業協同組合連合会(全漁連)は今年6月の総会で「海洋放出に断固反対であることはいささかも変わらない」とする特別決議を全会一致で採択しており、実際に放出ができるかは不透明だ。

 計画では、放射性物質トリチウムが主に残る処理水を大量の海水で薄めて国の排出基準の40分の1未満にし、新設する海底トンネルを通じて沖合約1キロに放出する。原発構内には130万トン超の処理水が保管され、タンク容量の95%に達している。東電は、トンネル掘削用のシールドマシンを原発の護岸付近に設置するなど、建設準備を進めている。(小野沢健太)

福島第一原発の処理水 1~3号機の原子炉に注入した冷却水が事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)に触れ、建屋に流入した地下水や雨水と混ざって発生する汚染水を、多核種除去設備(ALPS)で浄化処理した水。取り除けない放射性物質トリチウムが国の排出基準を上回る濃度で残る。政府は2021年4月、23年春をめどに処理水を海洋放出する方針を決定。東電は、大量の海水でトリチウム濃度を排出基準の40分の1未満に薄めて海へ流す計画を進めている。

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