[東京 27日 ロイター] - 来週の外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)がいずれ開始するテーパリング(量的緩和の段階的縮小)を視野に、ドルは底堅く推移する可能性が高い。ただし、アフガニスタン情勢がさらに緊迫化すれば株安を通じたリスク回避の円買いが先行する余地もある。
予想レンジはドルが109.00━111.00円、ユーロが1.1650―1.1850ドル。
上田東短フォレックスの営業推進室長、阪井勇蔵氏は「アフガン情勢が一段と緊迫化し、米国株が大幅安にならない限り、極端なドル安/円高にはならないだろう」とみている。リスク要因としては、アフガン情勢のほか、欧州金融当局者の発言、日米の株価や原油動向などがある。
欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は25日、最近の第3・四半期の指標が好調なため、ユーロ圏のマクロ経済予測を9月に再び上方修正する可能性があると述べた。
「ECBはこれまで金融政策の正常化に前向きではないとみられていたが、こうした発言を経て、ユーロは売られにくくなっている」(阪井氏)という。
FXcoin取締役の上田眞理人氏は「アフガン情勢が最も気になる。今のところはドル/円では、リスク回避の円買いが勝っているが、泥沼化した場合は世界経済全体への悪影響も懸念され、ドルを売り続けていいのか、迷うところだ」という。
バイデン米大統領は26日、アフガニスタンの首都カブールの空港周辺で起きた爆発を巡り、実行犯を捕らえて償わせると表明した。また、イスラム過激派への反撃計画を策定するよう国防総省に要請したことを明らかにした。
9月3日には8月の米雇用統計が予定されるが、市場では、米労働市場で賃上げの動きが広がっていることに注目する声が出ている。
SMBC日興証券のチーフマーケットエコノミスト、丸山義正氏は「米国では、これまで賃上げの動きは新規就労者や転職者に限られていたが、既存労働者にも急速に広がってきている。特に転職者と低賃金労働者で賃金上昇の加速が目立つ。FRBはリスクマネジメントの観点から、少なくともテーパリングを急ぐ必要がある」との見方を示した。
「低賃金労働者や低スキル労働者を中心とした賃金上昇加速は、パウエルFRB議長の意向に沿うところであり、金融緩和縮小のハードルを引き下げる方向に作用すると考えられる」と丸山氏は言う。
今回の雇用統計では、時間当たり賃金の伸び率は前年同月比で4.0%程度と予想されている。
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