- 2020/04/22
- MotorFan編集部
アナログ派自動車評論家・瀬在仁志(ヒトシ君)が助手の75(ナコ)とともに、話題のクルマに乗ってオイシイモノを食べに行くという食いしん坊企画第9弾。道中、感じたことや気が付いたことを言いたい放題しつつ、最終的にはオイシイモノにありつくというユルユルな写真旅日記企画。今回は2018年に3代目としてデビューしたものの、地味な印象になってしまっている、「もったいない」ホンダ インサイトをチョイスです。
講師:瀬在仁志(Hitoshi SEZAI)
助手:生江凪子(Naco NAMAE)
今回の議題は「ホンダ インサイト」
ヒトシ君:おっ、インサイトだね。乗るのは久しぶりだけど、インサイト、いい印象なんだよね。
助手75:フフンッ。でしょ(なぜか得意げ)。この連載も各メーカーさんのクルマに乗ってきたんだけど、今回は初ホンダです。いま旬なのはフィットなのかもしれないけど、そこをあえてインサイトにしたのは、私も興味があったから。これ、デザインがカッコいいのよ!
ヒトシ君:な~んだ、やっぱり見かけかよ!
助手75:な~に言ってんのよ。中身の良さは表に滲み出るの! デザインのカッコよさは、中身の良さ! おわかり?
ヒトシ君:そ、そうだね~。たしかに乗ってみてもかなりいいクルマだと思うよ。まぁ例によって結論は最後にしてとりあえず出かけようか。どこへ行く?
助手75:(キッパリ)ニッコー! この前、誰かさんが通り過ぎていけなかったでしょ? 今回こそ日光へ行って金谷ホテルへ行って……。
ヒトシ君:はいはい。ラジャラジャ。
助手75:あ、それから日光へ行って、東照宮へ「新型コロナ平癒」のお参りをしてこい!って編集長にも言われてるんですよ。
※取材は3月。4月に非常事態宣言が出て、原稿公開時にこんな状況になっているとは……皆さん、Stay Homeで充分気をつけて、この難局を乗り切りましょう。
インサイトは……地味?!
ふたり(とPH担当)を乗せたインサイトは都内明治通りを北上。首都高速に乗る。
助手75:インサイトってさ、なんか地味よね。
ヒトシ君:えっ……そこから言っちゃう? う、うん。
助手75:下調べしてきたんですけど、初代インサイトは1999年デビューの3ドアクーペ。実験車みたいなカッコのクルマでしょ? 2代目は2009年に登場の5ドアハッチバック、で今回のインサイトが3代目が登場したのが2018年ね。で、これは4ドアセダン。この脈絡のなさがいまひとつメジャーになれない原因なのでは? しかも、1-2-3代と必ず間があいてるし……と私は思っているんだけど、そこんとこど~よ、ヒトシ君。
ヒトシ君:う、否定はできないな。でも、一貫しているところもあるんだよ。それは、ずっとハイブリッド専用車だってこと。初代、2代目はIMAというハイブリッドシステムだったんだ。IMA(Integrated Motor Assist)っていうくらいだから、モーターはあくまでも補助。必ずエンジンがかかるハイブリッドだったんだ。プリウスのTHSが複雑なシステムだったのに対してホンダのIMAは比較的シンプル、ゆえにコストも低くできるから、ホンダはこれが本命と思ったんだろうね。
助手75:で、現行インサイトは?
ヒトシ君:これはi-MMDという2モーターのハイブリッド。基本的にモーター駆動っていうのが特徴で、エンジンは発電用に使うんだ。そこは日産のe-POWERと同じ考えだね。違うのは、エンジンで発電してモーターを駆動するよりエンジンで直接駆動する方が効率がいい高速域はエンジン直結にできるというところ。オレは、トヨタのTHSと並んで世界的にも非常に優れたシステムだと思っているよ。新型フィットもこれになったしね。名前はi-MMDではなくてe:HEVとなったけど。
助手75:なんで名前が変わったの?
ヒトシ君:ホンダには小型車向けの1モーターのi-DCDとこの2モーターのi-MMD、そしてNSXとレジェンドが使う3モーターのSH-AWDという3種類があるんだけど、今後はi-MMDに収斂していくからってことじゃないかな。オレはi-DCDも悪くないって思ってるんだけどね。
助手75:なるほどね。75的にはホンダといえばタイプRだからシビックなのよね。シビックにはハイブリッドってないでしたっけ?
ヒトシ君:そう。ないの。シビックはコンベのエンジン、インサイトはハイブリッドって分けているんだと思う。そこもちょっとわかりにくいよね。でも、シビックと比べると明らかにエクステリアもインテリアもデザインは大人っぽいし、走りも上質だよ。
助手:そうなのよ。これ、かっこいいのよ。
ライバルは、プリウスなのか
ホンダ インサイト:あらためて試乗し、トヨタ プリウスに負けず劣らずな性能の良さを体感!
1999年にハイブリッド専用モデルとして衝撃デビューを果たすものの、その後、売れ行きも認知度もパッとせぬまま2018年に3代...
そして首都高速道路から東北自動車道へ。
助手75:いま高速道路で90km/h巡航しているから、これはエンジンでタイヤを回しているってこと?
ヒトシ君:そうだよ。さっきの下道はモーター駆動ね。でも、モーター駆動からエンジン駆動への切り替えは気づかないほどスムーズだよね。というよりホンダの場合は、モーター駆動をことさら強調しないんだね。だからなおさら気づかない。ほら、日産のe-POWERの場合は「ひゅーん」って音がするじゃん。モーター駆動のときは。ホンダは、モーター駆動のときもなんとなくエンジンで走っている感じがする。そこがホンダらしさ、なのかもね。
助手75:ハイブリッドってことは燃費はいいのね。って燃費の良し悪しにあまり興味はないんだけど、ワタシ。一応仕事だから聞いておくわ。
ヒトシ君:う、うん。モード燃費を教えてあげよう。
WLTCモード燃費:25.6km/ℓ
市街地モード 22.8km/ℓ
郊外モード 27.1km/ℓ
高速道路モード 26.2km/ℓ
プリウスには負けるけど、これだけ良ければ文句ないよ。走りの上質感はプリウスよりずっと上だと思う。
助手75:そもそもプリウスがライバルなの? プリウスのほうがちっちゃくない? どらどら(とスマホを取り出す)。このインサイトが
全長×全幅×全高:4675mm×1820mm×1410mm
ホイールベース:2700mm
プリウスが
全長×全幅×全高:4575mm×1760mm×1470mm
ホイールベース:2700mm
だからインサイトの方が一回り大きいわね。価格は、このインサイトEXが356万4000円。プリウスだとFFの上級グレードのAプレミアムツーリングセレクションで334万5100円だから、インサイトの方がひとつクラスが上じゃない?
ヒトシ君:そうなんだよ。じゃあ競合するライバルは?ってなるとこれが難しい。
通り過ぎ注意〜!
助手75:難しい話は後回しにして、ほら、またIC通り過ぎちゃだめよ。今日こそは日光へ行くんだから!
ということで、宇都宮ICから日光宇都宮道路へ。終点の清滝ICで降りて、日光東照宮へ。
助手75:人、少ないね。観光バスも皆無だし。こんなに空いている日光は初めてかも。
ヒトシ君:そうだね。とりあえず、クルマを駐めてっと。
ふたりが向かった先は、東照宮のすぐ隣にある輪王寺。
助手75:え~っと、ここはですね、開山されたのは766年ってことなので、恐ろしく古いってことだけは確かですね!
ヒトシ君:ぶはっ、なんだよ、その説明!
助手75:だって、東照宮にいくはずだったから……予習が。
ヒトシ君:いや、今回はココ、いいんじゃない? だって、オレ、失礼ながら来たことなかったし。
助手75:そうねそうね! 写真は東照宮バックに撮れたし、来たことないところのほうがいいわね。
ヒトシ君:相変わらず切り替え早……。
助手75:さ、先に手を清めますよ!
そんな無作法モノのふたりも受け入れてくださる、懐の大きい輪王寺へ足を踏み入れる。内部の写真撮影は禁止なため、この騒動が収束したら、ぜひ実際にお越しいただきたいと思う。
(少しためになる編集部註)こちらは日光山 総本堂 三仏堂(さんぶつどう)で、重要文化財そして世界遺産です。東日本としてはもっとも大きな木造建造物で、平安時代に創建された全国でも数少ない天台密教形式のお堂。現在の建物は、正保2年(1645年)に徳川三代将軍「家光」公によって建て替えられたもの。推定樹齢500年という天然記念物指定の金剛桜が植えられています。三仏堂の内陣には、日光三所権現本地仏(千手観音・阿弥陀如来・馬頭観音)という三体の大仏さま(高さ7.5メートル)と、東照三所権現本地仏(薬師如来・阿弥陀如来・釈迦如来)という掛仏の、2組の三尊仏がご本尊さまとして祀られています。
なんとラッキーなことに、社殿のお色直しが終わり、日光三所権現(ちなみに、にっこうさんしょごんげん、と読みます)本地仏の二体の大仏さま、京都での修復が済みお里帰りしたばかり。一体にいたっては、京都から仏師のかたが来て修復を施したとのこと。とにかく大きな大仏さまの前に、さすがのふたりも神妙に……するわけもなく、説明してくださるかたの話が終わるや否や、アッチの大仏さまにお願い、コッチの大仏さまに……と行ったり来たり。
助手75:ヒトシ君は、この大仏さまが守り神らしいよ? すごいねぇ。神々しい。
ヒトシ君:で、75はなにをお願いしたの? さっき説明員の方が「この大仏さまは、お願い事を聞いてくれる珍しい大仏さま」だって言ってたじゃない? できるだけたくさんのお願い事をしたほうがいいって!
助手75:えーと、○×△□■▲でしょ、▷◎○×△□■に、▲▷◎○×△□■▲▷◎!
ヒトシ君:オレはさ、◎○×△□■と、○×△□■に×△□■▲▷◎!
ふたりで:うひひひひ。
まったくもって個人の欲が丸出しで文字にできない……。
PH担当:で、編集長から言われたコロナ平癒のお願いは?
ふたりで:あ、忘れた。
PH担当:………………。
出口付近でモニョモニョと「平癒、平癒」とつぶやくふたり。まったく人の欲というのは止まる所を知らないのですね。一応祈願をしたということで、周辺散策といきましょう。
お土産物屋さんでおおはしゃぎ
お約束の東照宮入り口にて記念撮影を済ませ(今回は時間がないため、広い境内には入れず)、行きに見つけておいたお土産屋さん「富士屋観光センター」さんへ。専用駐車場は、お買い物をしたら駐車場代かからず! というクルマ移動の我々には大変うれしいサービスがあります(通常は500円かかります)。
助手75:ああ、目移り。日光といえば、湯葉! 湯葉といえばニッコー! お猿さんの飴もある~。やだ、かわいい~。
と、相変わらずヒトシ君とPH担当が引く勢いで買い物をする助手75。そして、目の端に隣の建物が見えるや、「いい匂いがする予定!」と飛び出して行った。……せわしい。とにかくせわしい。富士屋観光センターの方々も、苦笑い。ご迷惑をおかけし、本当に申し訳ありませんでした。
(お店に一言断わりましょう)後を追うと「日光ドラバタさん」なるお店の前でニヤニヤしている。「日光ドラバタさん」は、3月16日にオープンしたばかりの、栃木市の老舗和菓子店監修のどら焼きの皮と手仕込み餡子、そして伊澤いちご園のジェラートやオリジナルバタームースをサンドした和洋どら焼きのお店。
ヒトシ君:おやつも食べたし、お土産も買ったし、さて移動しますか!
助手75:ん? 隣にもホンダ車が駐まってるわね、アレ?
ヒトシ君:!!!2代目インサイトだよ! おお~、いいね、新旧だ!
助手75:まったく違うクルマだわ、コレ。それにしても先代は、コロコロしていて可愛いわね。
思いがけず2代目インサイトと遭遇し、喜ぶふたり。
助手75:さて、お次は本日のメーンエベントッ! 金谷ホテルへGO!
"そうだね" - Google ニュース
April 22, 2020 at 05:00PM
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ホンダ インサイト「コレは、もったいない!」ロングドライブで再認識したその仕上がりの良さ。アナログ派・ヒトシ君×助手75の言いたい放題本音インプレ - MotorFan[モーターファン]
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