大阪ニュース
2023年3月19日
大阪国際大と大阪日日新聞、週刊大阪日日新聞が協働し、大学生が新聞記者の仕事に挑戦するアクションプログラム(担当教員・尾添侑太講師)を同大で実施した。8日付の特集に続き、「ノートテイク」「さまざまな可能性を持った銭湯」がテーマの記事を2回連載で紹介する。
ノートテイクを行うときの様子の再現 |
大阪国際大では現在、障害のある人が情報を入手する際に必要なサポートを行う「情報保障」として、二人一組で行うノートテイク・パソコンテイクとオンライン授業の字幕挿入を行っている。同大に通う2人の利用者からはノートテイクについて、「誤字を直してくれるところが良い」と満足している様子がうかがえる一方で「ノートテイカーと話したいし仲良くなりたい」との要望がある。
■聴覚障害のある大学生に必要なノートテイク
講義内容を要約してノートに書き込み、利用者に伝えることを「ノートテイク」、ノートテイクの作業をパソコンで行うことをパソコンテイクという。聴覚障害のある学生が大学で授業を受けるには、ノートテイクやパソコンテイク、手話通訳が必要だ。
同大に通う、聴覚障害のある河野颯斗さん(19)は「いろいろな大学を調べてもほとんど情報保障はなかった」と話しており、聴覚障害のある学生への支援が全大学にあるわけではない。
大阪国際大のノートテイカーの対面での仕事は、人工知能(AI)が音声を認識して文字に変換する「UDトーク」を使った際に、誤認識した文字の修正と「UDトーク」の文字では伝わらなかった部分や見逃した部分を筆談で伝えることだ。
■利用者の声
同大のノートテイクについて河野さんは「誤字を直してくれるところが良い」と評価する。同じく聴覚障害のある藤井梨花さん(21)も「誤字を修正する人がいることがすごく良い。ホワイトボードに書いてくれたり、身ぶりや口話で伝えてくれたりすることがすごく助かった」とし、二人は満足している様子。
一方で、ノートテイクを行う学生全員が手話を使えるわけではないため、河野さんは「ノートテイカーがあまりしゃべれなくて(手話ができなくて)気を使ってしまうことがある」とし、藤井さんも「ノートテイカーと話したいし仲良くなりたいけど、授業中は話せないし、次の授業もあるから難しい」と残念がる。
ノートテイカーの中にも「もっと利用者とコミュニケーションをとりたい」という声があり、藤井さんは「せっかく(ノートテイクを)してもらっているから、交流会的なものがあればいい。例えば、昼休みに一緒にご飯を食べるとか」と期待を寄せる。
取材後記
取材の中で情報保障がある大学が少ないことを知り、驚いた。また、実際に私自身もノートテイクを経験し、藤井さんと河野さんと話す中でもっと手話を覚えたいと思うきっかけになった。「ユーチューブ」を見て手話を覚えたり、実際に2人から手話を教えてもらったりすることもあった。そして、利用者とノートテイカーの壁をなくすためにも交流会をぜひ開きたいと思う。
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