国会は10日の会期末に向け最終盤の攻防に入る。政府の総合経済対策の裏付けとなる2022年度第2次補正予算が2日に成立。焦点は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済新法の法案審議に移る。政府、与党は野党の協力を得て会期内の9日にも成立を狙う。ただ野党は法案修正と徹底審議を求めており、駆け引きが激しさを増しそうだ。
「法案修正で合意できなければ、国会審議で問題点を議事録に残さなければならず会期内に収まらない」。立憲民主党の岡田克也幹事長は3日、岩手県宮古市で記者団に、会期延長に含みを持たせた。
与野党は2日、救済新法の法案について、6日の衆院本会議で岸田文雄首相が出席して趣旨説明と質疑を行い、審議入りする日程に合意した。与党は衆参両院2日ずつの審議で、スピード成立させる段取りを描く。政権幹部は「被害者を救う環境を早期に整えるのが国の責務だ」と話す。
一方の野党は被害者救済で「実態に伴う法律」(泉健太立民代表)とするため、信者の親を持つ「宗教2世」や被害救済に当たる弁護士が参考人として出席する質疑を訴える。
法案成立への鍵となるのが、法人が寄付を勧誘する際に「自由意思を抑圧しない」などとする配慮義務規定の修正だ。野党は法案の実効性を担保するため、禁止規定に修正するよう主張。だが禁止規定となれば、刑事罰の適用などにつながり要件の明確化が必要となる。不当な寄付は複雑なケースが想定され、要件の規定は困難だというのが政府の立場だ。
ただ与野党双方に、法整備に後ろ向きと映れば世論の反発を招きかねないとの懸念もある。日本維新の会の遠藤敬国対委員長は「法案の不足部分は付則や付帯決議、国会答弁で穴埋めしていく」と表明した。立民幹部も「交渉の余地はある」と語る。与野党には党首級会談で局面打開を図ろうとする動きも浮上する。
首相は2日、法案審議を「見守っていきたい」と述べた。与党も配慮義務規定を報告徴収対象にするなど妥協点を模索しており、修正に踏み出す可能性も残る。
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