旧統一教会の被害者救済に向けて政府が概要を示した、悪質な献金を規制する新たな法案について、支援活動を行う弁護士らは「被害救済にはほとんど役に立たない」として被害の実態に合わせた法案に修正するよう求めました。
旧統一教会の被害者救済に向け、政府は、現在の法律では十分に対応できていない悪質な献金を規制するため、今の国会に新たな法案を提出する方針で、今月18日にその概要を与野党に示しました。
これについて、「全国霊感商法対策弁護士連絡会」は21日記者会見を開き、「政府案は加害行為の実態に即していないため、被害救済にはほとんど役に立たない」とする声明を発表しました。
具体的には、政府案では、
▽「法人」への寄付を規制の対象としていますが、法人格がない「団体」や「団体の幹部個人」に対する寄付も過去に行われているなどとして対象に加えるよう求めています。
また、
▽寄付の勧誘をする際、不安をあおるなどして個人を「困惑」させることを禁じていますが、「困惑」させずに行われる献金も多くあるため、「正常な判断ができない状態にあることに乗じた」勧誘も規制対象とするべきなどと指摘しています。
そのうえで弁護士らは、「臨時国会での法律の成立はぜひ実現してほしいが、結果的に役に立たないものになることは放置できない」と指摘し、与野党で協議をして、被害の実態に合わせて修正するよう求めました。
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