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Saturday, November 12, 2022

ミャンマー情勢で手詰まり状態のASEAN 「5項目の合意」も進展なく、首脳会議に国軍は出席せず:東京新聞 TOKYO Web - 東京新聞

11日、カンボジアのプノンペンで開催されたASEAN首脳会議の開会式で手を振るカンボジアのフン・セン首相㊧ら(AP)

11日、カンボジアのプノンペンで開催されたASEAN首脳会議の開会式で手を振るカンボジアのフン・セン首相㊧ら(AP)

 国軍によるクーデター以降、混迷が続くミャンマー情勢を巡り、東南アジア諸国連合(ASEAN)は11日の首脳会議で、昨年4月にまとめた「5項目の合意」の履行に向け、具体的な「実施計画」の策定を決めた。ただ、国軍側はミャンマーを外したASEANの決定を「拒否する」と反発。国軍に軟化の兆しはなく、手詰まり状態だ。(バンコク支局・藤川大樹)

 カンボジアの首都プノンペンで3年ぶりに対面式で開催された首脳会議。議長国のカンボジアはミャンマーに「非政治的な代表」の出席を打診したが、国軍は「ASEAN憲章に反する」として欠席した。

 ASEANは昨年4月、国軍のミンアウンフライン総司令官も交えた臨時首脳会議で、暴力の即時停止やすべての関係者による建設的な対話の開始など5項目で合意。しかし、進展はほぼ見られず、一部の加盟国はいら立ちを強めている。

 本紙が入手した10月20日付の議長声明の草案には「長引く政治危機への懸念を表明」との表現があったが、ある加盟国は「懸念」の前に「深い(deep)」を加えるよう求めた。

 ただ、ASEAN内には温度差があり、強い措置は打ち出せない。

 首脳会議では、合意の履行に向け、具体的な期限や客観的に評価できる指標を盛り込んだ「実施計画」の策定を決め、ASEAN外相会議に委ねた。また、国連などにも支援を求めた。

 しかし、国軍側は声明で「ミャンマーは5項目の合意の履行に向け、ASEAN議長特使と建設的に協力してきた。顕著な進展を無視していることに失望している」と反発。期限の設定は「肯定的な意味合いよりも否定的な意味合いが強くなる」とけん制した。

 最大都市ヤンゴン在住の専門家は「ミャンマーの状況に応じ、合意内容を修正するべきだ」と話す。

 現地では国軍と少数民族武装勢力や民主派の武装組織との戦闘が激化しており、「一定の政治的な合意がない限り、当事者が戦闘をやめることはない」と指摘。ASEANによる人道支援についても「国軍は敵対勢力の食糧、資金、情報、募兵を断つ『フォー・カッツ』戦術を有効な手段とみなしており、説得するのは難しいだろう」とした。

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