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Monday, November 15, 2021

情報BOX:COP26の主な合意事項 - ロイター (Reuters Japan)

[グラスゴー 13日 ロイター] - 国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が13日閉幕し、約200カ国が成果文書に署名した。

以下に同会議における主要な成果をまとめた。

◎目標を徐々に強化

会議は、各国が現在までに約束している温室効果ガス削減策では、産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑えるのは非常に難しいと認めた。

この問題を解決するため、これまで各国に5年ごとの目標強化を義務付けていたのを改め、来年末までに強化するよう求めた。

より強い削減目標の設定と達成ができなければ、その報いは大きい。科学者によると、気温が1.5度以上上昇すると海面が極端に上昇し、壊滅的な干ばつ、猛烈な嵐、現在起こっているよりもはるかに深刻な山林火災などが引き起こされる。

COP26のアロック・シャルマ議長は「1.5度を達成圏内に収めたと自信を持って言えるようになったと思う。ただ、その拍動は弱いため、われわれは約束を守り続けなければ生き残れない」と述べた。

◎化石燃料に照準

各国に石炭依存と化石燃料への補助金の削減を求める文言が、成果文書に初めて盛り込まれた。人為的な気候変動で中心的な役割を果たしているとされる石炭に照準を定める動きだ。

11月13日、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が13日閉幕し、約200カ国が成果文書に署名した。写真はグラスゴーで記者会見するシャルマCOP26議長(2021年 ロイター/Dylan Martinez)

しかし、文言を巡っては意見が対立した。インドは文書採択の直前に「排出削減対策が講じられていない(unabated)」石炭火力の「段階的廃止(phase out)」ではなく、「段階的削減(phase down)」に向けた努力を求める文言に修正するよう要求。議場では、この小幅な修正を巡って懸念が渦巻いたが、交渉決裂を避けるために要求を受け入れることで合意した。

一方、「非効率な補助金」については「段階的廃止」の文言が維持された。

「排出削減対策が講じられていない」、「非効率」の表現についてその定義を巡る問題は解決されなかった。

◎途上国への支援

貧しい国々や、気候変動の影響を受けやすい国々は、温室効果ガス排出の大半を占める先進国に資金拠出を要求しており、合意ではこの点で一定の進展があった。

例えば「先進諸国側は、発展途上国側の取り組みを助けるため、2025年までに気候変動適応策のための準備金を合計で19年水準から少なくとも倍増する」よう促している。

また、途上国支援の項目では初めて「損失と被害」に言及した。損失と被害は、一部の国々が気候変動によって既に被っている損害を指している。これらの国々は長年、損害に対処するための支援金を求めてきた。

ただ、この問題について先進国は実質的に、協議の継続で合意したに過ぎない。今後の協議の行方が注目される。

◎炭素市場のルール

会議は、炭素市場のルールを設定する合意も結んだ。これにより、森林保護や再生可能エネルギー施設の建設その他、数兆ドル規模の気候変動対策プロジェクトが動き出す可能性がある。

広い森林を抱える企業と各国は、COP26で政府主導の炭素市場を巡る強力な合意を結ぶよう求めてきた。世界で急拡大する自主的なカーボンオフセット市場が法制化されることへの期待もあった。

合意によると、カーボンクレジットの二重計上を回避するために何らかの措置が実施される見通しだが、気候変動対策適応策の財源を助けるため、二国間の取引には課税しない。これは途上国が強く要求していた。

また、クレジットに有効期限を設け、2013年より前に発行されたクレジットは将来に持ち越せないようにすることでも妥協が成立した。これは、古いクレジットが市場にあふれ過ぎ、新たな排出削減よりもクレジットの購入を奨励することになるのを避けるのが狙い。

◎付随合意

全体合意と並行して、数々の付随合意も結ばれた。米国と欧州連合(EU)の音頭取りにより、約100カ国が2030年までにメタン排出量を2020年水準から30%削減することで合意した。

世界の2大炭素排出国である米国と中国は、気候変動対策で協力するとの共同宣言を発表。専門家は、長く沈黙を続けてきた中国が地球温暖化対策の努力を加速する意向であることが確認されたとしている。

企業と投資家も、ガソリン車の段階的廃止や航空機の脱炭素化、森林保護、持続可能投資の拡大など、数多くの自主的な約束を発表した。

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