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Friday, October 1, 2021

インタビュー特集: 私たちにはファンモンからの「エール」が必要なんだ!! - KKBOX

2013年の東京ドーム公演を最後に、人気絶頂の中で解散を選んだFUNKY MONKEY BABYSががFUNKY MONKEY BΛBY’Sと表記を改めてついに再始動!千鳥・大悟が“顔ジャケ”を飾る新生ファンモンの第一弾シングル「エール」は、“これぞファンモン!”と呼ぶべきド直球の応援歌。コロナ禍のなか、なかなか先が見えない状況のなか、「まだ途切れちゃいない そうだ 頑張れよ」というメッセージは多くのリスナーの心を鼓舞してくれるはずだ。

―2013年の解散から約8年、ファンモンとしての活動が再び始まりました。今回の再始動には、コロナ禍も関係しているんでしょうか?

ファンキー加藤:ゼロではないかもしれないですね。予定していた自分のツアーも軒並み中止になって、自宅でボーッとする時間のなかで、これまでの人生だったり、今後の身の振り方を考えることもあって。そのときにファンモンの存在も浮かんでましたから。ただ、みなさんもそうだと思うんですよ。コロナの影響をまったく受けてない人は、ほぼいないはずなので。

モン吉:そうだね。(ファンモン再結成の)直接のきっかけは3月11日の「音楽の日」(TBS系)だったんですが、こんな時代だからこそ、ファンモンの応援ソングに何かを感じて、「救われた」と思ってくれる人が100のうち1人でもいてくれたらいいなと。「絶対に救おう」なんて思ってませんが、今って閉塞感がすごいじゃないですか。どこまで耐えればいいのか、ゴールが見えないきつさもあるし。

―そうですよね。3月11日の「音楽の日」のパフォーマンスは大きな話題を集めましたが、手ごたえはどうでした?

ファンキー加藤:反響がすごかったですね。過去、いちばん大きい反響があったのはNHKの紅白歌合戦に初出場したとき(2009年)だと思いますが、その時と同じくらいのメッセージを受け取ったので。想像を超えてました。

モン吉:「この3人が集まると、不思議な力が生まれるんだな」と改めて感じましたね。リハの段階ではわからなくて、「大丈夫かな」という不安もあったんですけど。

ファンキー加藤:リハーサル、なかなかスイッチが入らないんですよ(笑)。3人でスタジオに入るのも久々だったから、最初は“嬉し恥ずかし”みたいなところもあって。

モン吉:小学校のときの友達に会った感じですね(笑)。もちろん本番では全力で臨んだし、「これこれ!」という感覚があって。

ファンキー加藤:本番ではしっかりスイッチが入りましたね。震災から10年というタイミングという事もあって、(出演することに)すごく意義があったのも良かったと思います。それがなければ、DJケミカルが参加することもなかったので。

モン吉:ケミちゃんは住職として出たところもあるよね。少しでも供養になれば、という思いで。

ファンキー加藤:そうだね。とにかく「音楽の日」がなければ3人集まることもなかったし、再始動もなかったと思います。モンちゃんとも事務所ですれ違って、ちょっと挨拶するくらいだったから。

モン吉:あとは誰かの結婚式とか、社長の誕生日で会ったりね。

―お互いのソロ作品はチェックしてましたか?

モン吉:僕は全部聴いてましたよ。ダウンロードもしたし。

ファンキー加藤:え、何かすいません(笑)。俺もモンちゃんのライブ、2回くらい観ましたよ。「がんばってるな。俺もがんばろう」と思って……ずっと自分のことで精一杯だったんですよ。ファンモンからソロになったときはガムシャラだったし、意地を張ってたところもあって。

―一人でも活動できることを証明しようと?

ファンキー加藤:そうですね。意図的にファンモンを遠ざけないと、自分が保てない時期もあったんですよ。ファンモンの存在が大きすぎたし、思い出が輝きすぎてたので。ファンモンでもやってなかった44本のロングツアーを完走できたことで、少し自信が持てるようになったんですけど、それまではけっこう大変でした。

出典元:YouTube(dreamusic)

モン吉:ファンちゃんのライブを客席から観るのは、すごく不思議な感じでしたね。ずっと「自分たちのライブを観てみたい」と思ってたんだけど、それと近い感じがあって。僕はマイペースにやってたんですよ。(ファンモンの解散の後)2~3年はほとんど何もやってなかったので。

ファンキー加藤:海外旅行してたよね。ファンモンのときに忙し過ぎてやれなかったことを全部やってたというか。

モン吉:まさに。(ソロ活動をスタートさせたのは)子どもが生まれたのも大きかったですね。「お父さんがずっと家にいるのって、どうなの?」って思って(笑)。

出典元:YouTube(dreamusic)

―では再始動第一弾シングル「エール」について。“これぞファンモン!”というストレートな曲名ですね。このタイトルを付けた曲が今までなかったのも、かなり運命的というか。

モン吉:自分たちも不思議です。まあ、たまたまですけどね(笑)。

―最初のシングルとして、どういう曲がふさわしいか?という話し合いはあったんですか?

ファンキー加藤:はい。メインテーマというか、曲の中心軸にどんなメッセージを込めようか?と打ち合わせして。いろいろ考えたんですけど、1周して「応援ソングだな」ということになりました。

モン吉:ファンモンといえばラブソングか応援ソングだと思うんですけど、この時代のことも考えると、やっぱり応援ソングだなって。

出典元:YouTube(FUNKY MONKEY BΛBY’S)

ファンキー加藤:“ザ・ファンモン”、“ファンモン・イズ・バック”と感じてもらえるような熱いものを届けたいなと思って。ヘンにカッコつけたり、逃げたりしないで、音楽業界の真ん中にファンモンの旗をもう一度立てたいなと。「エール」は(多くのアーティストが使っているという意味では)手垢のついたタイトルだし、確かに「これを使ってなかったって、不思議だな」と思ったけど(笑)、退路を断つような思いで、このタイトルにしました。その分、オケやトラックに関しては、“今”の感じも取り入れてるんですけどね。

モン吉:そのバランスが難しかったんですよ。以前とまったく同じようなトラックだと逆に違和感が出ちゃうし、うまい具合に“今”を混ぜたくて。でも、たとえばローファイ・ヒップホップみたいなサウンドだと、歌詞の熱量に合わないんですよね。上モノの音は懐かしい感じ、低音の部分は今っぽくとか、いろいろ試行錯誤しました。

ファンキー加藤:そのあたりの役割分担がハッキリしてるんですよ。モン吉はトラックやメロディを感覚的に掴むのが上手くて。そこは全部任せて、俺はずっと歌詞のテーマやメッセージ、パンチのあるワードを考えるっていう。ファンモンの楽曲制作の過程は、以前からずっとそういう感じですね。

モン吉:うん。作り方は変わってないですね。

―楽曲制作においても、「そう、これこれ!」みたいな楽しさがあった?

ファンキー加藤:いや、楽しくはなかったです(笑)。

モン吉:シングルは大変なんですよ。アルバムの曲やカップリング曲は楽しくやれるんだけど。

ファンキー加藤:シングルの表題曲は全然違うよね。ソロでもこだわって作ってましたけど、ファンモンのシングルはさらに大変で。しかも再始動の一発目ですから。三段階くらいハードルが高い(笑)。

モン吉:そうだね。

ファンキー加藤:曲作りのためにスタジオに入ったときも、そのハードルにまったく届かなかったんです。何時間も粘って、結局届かなかったときの心の重さを感じて、「ファンモンのシングルって、こうだったな」と思ったり。結局、20曲分くらい作ったよね?

モン吉:うん。アルバム2枚分くらい(笑)。

―「よし、これでいける」と思えたのが「エール」だったと。

ファンキー加藤:そうですね。二人の声がユニゾンしたときも「これはいいな」と思って。歌詞については、一人でも多くの人を巻き込みたいと思ってたんです。なので<卒業アルバムに描いたような>とか<忍び込んだグラウンド_打ち上げ花火>とか、映像を思い浮かべられるようなフレーズも入れて。あと、<頑張れよ>という言葉をサビに入れてるんですよ。<頑張れよ>って諸刃の刃というか、使い方によっては危ない言葉で。

―今は<がんばれ>って言われたくない、ということもありますからね。

ファンキー加藤:こちらの独りよがりになっちゃいけないし、誰かを置き去りにしたり、押しつけがましくならないように、その周りの言葉のバランスをすごく考えて。締め切りに間に合わなくて1週間リリースを延ばしてもらったんですけど、それも初めてでしたね。

モン吉:自分のパートは自分で書いたんですけど、軸になるメッセージは任せてました。こちらからの意見は言葉の響きくらいで、意味合いに対しては口を挟まないので。

ファンキー加藤:お互いに補い合いながら、得意なところを活かす感じというか。そこも以前から変わってないですね。

―なるほど。「エール」には<遠く走り続けるあなたへ_今_歩き始めてく僕らへ>というラインもあって。これは自分自身を鼓舞しているところもあるでしょうか?

ファンキー加藤:そうですね。“ファンモン”というより、俺とモン吉それぞれに向けている感じなんですが、自分の心が震える言葉じゃないと、遠くにいる人には届かないと思うので。

モン吉:うん。聴いてくれる人に向けているところもあるし、自分に対して言ってるところもあると思います。自分も含めて、できるだけ多くの人に響けばいいなと思ってるので。

―カップリング曲の「今だってI LOVE YOU」は、90年代的なトラックを軸にしたアッパーチューン。ライブでアガれそうな曲ですね。

モン吉:嬉しいです。ちょっと懐かしい感じですよね。ピート・ロックやラージ・プロフェッサー(90年代の東海岸ヒップホップを代表するプロデューサー)あたりをイメージしてたので。

ファンキー加藤:クラブに通って、自分のことをラッパーだと名乗り始めた頃によく聴いてたヒップホップですね。俺らの青春を引っ張ってきたというか(笑)。

モン吉:1周した感じもあると思うんですよ。トラップが落ち着いて、ラップの入れ方もちょっと昔の感じが戻ってきたというか。

ファンキー加藤:「エール」はすごく神経を使ったし、かなり苦労しながら作ったので、カップリングは楽しみたくて。“気持ちよく韻を踏んで、楽しくラップして”みたいな感じでした。とは言え、メッセージがゼロというのもアレなので、伝えたいこともあるんですけどね。コロナ禍が明けたときの再開だったり、透け透けの裏テーマとして、ファンモンとファンのみんなとの再会も込めてて。楽しく遊びながらやれたのはよかったですね。

―10月1日には“新生ファンモン”の最初のワンマンライブを日本武道館で開催。本格的な活動がはじまってます。

ファンキー加藤:ファンモンのライブに関しては、何の不安もなくて。でも、ソロのワンマンライブはかなりナーバスになってたんですよ。ひとりで全部を歌い切って、MCも全て自分なので、怖さもあって。

ーファンモンのライブは、一人じゃないですからね。

ファンキー加藤:そうなんです。モン吉はライブのスタミナがすごくあって、ずっとペースを保てるんですよ。最後までロングトーンを出せるし、俺としても安心感があって。ソロのライブではどうしてもペースをつかむのが難しいんですけど、ファンモンでは何も心配せず、グワーッと放出できるんですよね。もし俺の声がかすれたり、息切れしたとしても、モンちゃんがいてくれるので。

モン吉:そう言ってもらえるのは嬉しいですね。歌詞を覚え直すのは大変でしたけど(笑)。

ファンキー加藤:そうだね(笑)。

モン吉:ソロのライブで歌っていた曲は大丈夫なんですけど、約8年ぶりに歌う曲がほとんどなので、すぐには思い出せないんですよ(笑)。もちろん“ゼロ・スタート”ではないんですけど、さらにリハを重ねて歌詞を叩き込まないと。何も考えなくてもどんどん出てくるようにしないとダメなので。

ファンキー加藤:そうだね。ツアーとリリースを途切れることなく続けて、ファンモンの曲が響き続けるようにしたいので。同時にソロ活動もやっていきたいんですよ。いい意味で気分転換になるだろうし、ソロも新たな気持ちでやれるんじゃないかなって。

モン吉:僕もそう思いますね。ファンモンがないときは、ソロ活動してて「ファンモンっぽい曲もやろう」みたいな気持ちがあったんですよ。ファンモンが活動していると、ソロはもっと自由にやれると思うので。

ファンキー加藤:うん。ファンモンはみんなのため、ソロはちょっとだけ自分のためという分け方ができるからね。どっちも大切にしながらがんばりたいです!


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