今年10月にソロデビュー20周年を迎えるHYDEのライヴツアー「HYDE LIVE 2020-2021 ANTI WIRE」が、昨年12月より開催中だ。アコースティックギターを中心に据えたバンドスタイルで、特別なアレンジを施した楽曲を披露するこのツアーは、宮城県や北海道を含む全国7都市を巡って行われている。 このツアーのうち、1月30日と31日に東京都・東京国際フォーラム ホールAにて行われる公演がPPV ONLINE LIVEで配信される。ABEMA TIMESではこれに際し、HYDEへのインタビューを実施。配信ライヴについてはもちろん、これまでの20年間を振り返ってもらいながら、2020年という“特殊な1年”が彼にもたらしたものを聞いた。
世界中のミュージシャンが僕のメンバーになりうる
──2021年はHYDEさんのソロ活動20周年、さらにL'Arc-en-Cielも結成30周年という節目の年ですね。 HYDE:そうだね。 ──ソロとバンドの両方でこれだけ長いこと一線にいる人はかなり珍しいですよね。ほかには桑田佳祐さんくらいしかパッと思いつかないんですけど、なぜそんな離れ業が可能だったんだと思いますか? HYDE:うーん、好きなことをやっていたらいつの間にか20年経っていた、って感じで……。僕はソロに関しては基本的にあまり“売れる曲”というものを目指してるわけじゃないから、アンチな作品が多いんですよね。「時代が今こうだから、逆にこうしよう」みたいな。それでもファンの人がちゃんとついてきてくれるのは、真摯に音楽を作っているからじゃないかなと思っていて。僕は自分の好きな音楽をやっているだけだから、びっくりするような作品を突然リリースすることもあるけど、単に興味本位で作っているわけじゃなくて常にクオリティをしっかり追求してきた。だからファンのみんなも安心して聴いてくれるっていう、その関係性をうまく築けているということなんじゃないかな。 ──ファンとの信頼関係が肝であると。ソロとバンドで、意識の違いは? HYDE:ラルクはある意味リーダーが4人いるような感じなので、どうしたらメンバーに気に入ってもらえるかを意識したりはします。その点ソロは自分だけなんで、気楽といえば気楽ですよね。 ──ソロでやることの喜びは、やはりそういう部分にあるんでしょうか。 HYDE:最近気がついたんだけど、ソロでやってると、ある意味では世界中のミュージシャンが僕のバンドメンバーでもあるなと。バンドで活動する場合は固定のメンバーで全部完結しないといけない雰囲気があるじゃないですか。ベースはこの人、ドラムはこの人、ギターはこの人って決まっている上で何ができるかという世界だけど、ソロの場合は、たとえばカッコいいベーシストを見つけたらすぐ「ちょっと弾いてよ」ってできる。 ──ギターを何人にするかとか、編成自体にも囚われなくていいということですね。 HYDE:そうだね。ただ逆に言うと、責任が全部自分にかかってくるということでもあって。ワンマンになりすぎてもダメだし、ソロをやっているといろんなことに気づかされます。たとえばラルクではてっちゃん(Tetsuya / B)がリーダーなんだけど、「リーダーって孤独なんだな」と彼の気持ちがわかるようになりましたよね。バンドのためにと思った指針を評価されないことも多々あるし。
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