[東京 18日 ロイター] - 今週の外為市場では、昨年来のドル安見通しを修正する参加者が多くなる可能性がある。予想外の米金利上昇がドルを広範に押し上げており、この流れが続くかが最大の注目点だ。
予想レンジはドルが102.50━104.50円、ユーロが1.20―1.22ドル。
今年の相場予想の主流だったドル安見通しが、年始からわずか2週間で、早くも岐路に立たされている。米10年債利回りが12日に1.18%台と10カ月ぶり高水準へ急上昇したことで、ドルの堅調ぶりが際立ってきたためだ。
金利上昇のきっかけは、共和党地盤とされる米ジョージア州の上院選。予想に反して民主党が2議席をともに押さえ、上院で事実上の多数派となったことで、財政出動が加速するとの見方が一気に広がった。
市場では、大規模な財政出動が米国の国内総生産(GDP)を数%近く押し上げ、10年金利も1%台半ばから後半へ上昇するとの予想も浮上。景気過熱を防ぐため連邦準備理事会(FRB)は引き締めの検討に入るのではないか、との観測すら出回った。
その後、米国債入札が好調で金利上昇に歯止めがかかったこと、FRBのパウエル議長が利上げ否定を明言したことなどを受け、金利上昇とドル高は一服となった。しかし、年初からドルは104円半ばへ上昇、ほぼ既定路線だったはずのじり安とは大きく異なる展開に、動揺する向きは少なくない。
とはいえ、金利上昇を支える大規模な財政出動が実現するかは不透明だ。定数100人の上院は、民主党と共和党が50ずつ議席を分け合う。採決で同数となった場合、議長を兼務するハリス次期副大統領が決裁票を投じることになるが、議会運営は文字通り薄氷上にある。
米国の政治情勢に詳しいアナリストは「民主党内も一枚岩とは言い難く、4年後にバイデン氏が再び当選すると現時点で考える議会関係者はほとんどいないようだ。新政権下でも米国は『分断された社会』が続くだろう」と、バイデン氏の多難を予想している。
仮に米金利の上昇が続いても、それが株式市場の足を引っ張る懸念材料となり始めれば、状況は一変する。市場はリスクオフムードに傾き、円に上昇圧力がかかりやすくなる。その分水嶺は「1.2%がひとつのめど」(証券)という。
為替マーケットチーム
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