米下院反トラスト小委員会は、アップルのティム・クックCEOを初めとした大手ハイテク企業のトップに証言させる公聴会を開催。それに伴って議員らは、それら企業が反トラスト法に違反する行為がなかったかを調査する一環として、極秘とされるはずの様々な社内文書を公開しています。
その中に、アップルの共同創業者スティーブ・ジョブズ氏らが、iOS版Kindleアプリで電子書籍を購入できなくなった過程でやり取りした複数のメールが含まれていたと報じられています。
現在のiPhoneおよびiPad用のKindleアプリ内では、電子書籍を購入することはできず、新規に買う場合はSafariを使う必要があります。これはKindleアプリ内で電子書籍を販売した場合に取られる30%の手数料をアップルに支払わないための、アマゾンの選択ではあります。
が、2011年初頭まではiOSのKindleアプリ内で電子書籍を直接購入できました。では、なぜ途中からできなくなったのか? 海外テックメディアThe Vergeは、そこに至るまでのジョブズ氏や同社幹部のフィル・シラー氏らのやり取りが、今回明るみにされた社内メールにあったと伝えています。
あるメールでは、シラー氏は最初にアマゾンに特例(アップルの課金システムを使わずに購入できた)を設けた理由は「ユーザーはKindleデバイスで本を購入し、後にiPhoneでそれを読める」ためだと説明。しかしiPhoneやiPad、iPod touchの販売が順調に伸びると、いずれ特別扱いをなくす時が来るとの考えも示されています。初代Kindle端末は2007年に販売開始、iPhone版アプリは2009年リリースだったため、当面はKindle人気にあやかる狙いがあったのかもしれません。
実際にシラー氏がこの状況を修正する方向に向かったのは、テレビで新たなKindleアプリCMを見たときだったこともメールから明らかとなっています。そのCMは、iPhoneを使ってKindleアプリで本を購入した女性がAndroidスマートフォンに乗り換え、それでも全ての買った本を読むことができるというもの。主なメッセージは「多くのモバイルデバイス向けKindleアプリが用意されている」ことではありますが、二次的にはiPhoneからAndroidに乗り換えるのは簡単という含意もあり、それが「見ていて楽しくない」--シラー氏はメール内でそう述べています。
また別のメールでシラー氏は「彼ら(アマゾン)自身のテレビ広告からも、現在Kindleアプリの運用はアップルの規約とガイドラインに違反していることは明らかであり、デジタル書籍販売には我々のアプリ内購入システムを使用する義務があると伝えるべきだと思います」と語り、もしもアマゾンが従わない場合は「Kindleアプリをストアから削除するか、Kindleアプリの規約やガイドラインに例外を認め続けるかを決めなければならない」と強硬な姿勢で臨むべきと主張しています。
本メールは、アップルが2011年2月にアプリ内購入に関する新たなApp Storeポリシー(コンテンツを販売する外部サイトへのリンクやボタンの設置を禁止するルールを厳格化)を発表することを念頭に置いて交わされたものです。これに対してジョブズ氏は、アマゾンが「すべての支払いに我々の決済システムを使わなければならない」と言い「我々をAndroidと比較したいのなら、我々のはるかに優れた決済システムを強制的に使用させよう」と述べています。
また別のメールでジョブズ氏は、「iOSデバイス上の唯一の書店はiBooksになるだろう」とも強調。アップルは2010年に電子書籍アプリiBooksを配信開始したばかりのタイミングでしたが、メールではKindleを「他の場所で購入した本を読むことができる」つまりアプリ内で購入できない制限を設けて、直接に電子書籍が買えるiBooksを有利とする意図が示唆されています。
アマゾンほか電子書籍販売サービスがアップルの課金システムを避けるのは手数料のほか、予め定められた金額しか使うことができず(120円/250円など)様々な価格がある電子書籍には使いにくい事情もあるはず。結局は今日までiBooksはそう大きなシェアを持てず、ユーザーも外部サイトで買う不便を被っており、誰も得していないのかもしれません。
Source:The Verge
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July 31, 2020 at 12:01PM
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なぜiOS版Kindleアプリ内で電子書籍が買えなくなったのか?ジョブズらのメールから明らかに - Engadget日本版
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