日本銀行は3月以降、新型コロナウイルス感染症への対応として企業の資金繰り支援や金融市場の安定化を中心に金融緩和策を強化しているが、同時にこれまで下方修正を繰り返してきた物価見通しを現実的なものに修正するなどコミュニケーションの見直しも進めている。
政府による緊急事態宣言の最中に開かれた4月27日の金融政策決定会合。会合後に公表された「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、経済と物価の見通しが大幅に下方修正され、生鮮食品を除いた消費者物価(コアCPI)見通しは民間調査機関の予想並みの姿になった。今月15日に公表された最新の7月リポートでは、コアCPIの前年比(政策委員見通しの中央値)が20年度マイナス0.5%、21年度0.3%、22年度0.7%となった。
ブルームバーグが民間調査機関23社を対象に7月2ー9日に実施した調査では、平均が20年度マイナス0.4%、21年度0.3%、22年度0.5%で、日銀見通しと大差はない。感染拡大前の1月は、日銀見通しが20年度1.0%、21年度1.4%だったのに対し、民間予測はそれぞれ0.5%、0.6%と大きくかい離していた。
コロナ以前の展望リポートは、高めの物価見通しを示すことが常態化しており、2%の物価安定目標の早期実現を前面に押し出してきた日銀の「願望リポート」ともやゆされてきた。コロナの影響で金融緩和の一段の長期化が避けられない情勢の下、現実的な水準への物価見通しの引き下げは、コロナ収束後も物価動向に過度に縛られることなく金融緩和を続けていく布石となり得る。
クレディ・アグリコル証券の森田京平チーフエコノミストは、一連のコミュニケーション見直しについて「日銀はようやく地に足がついた」と評価。特に「展望リポートの物価見通しは象徴的だ」とし、「こうした変化を考慮すると、日銀はコロナ後に大きく政策を変更するというよりは、以前のように粘り強く緩和を続けていく姿勢を維持していく可能性が高いのではないか」と指摘している。
4月の会合では、政策金利のフォーワードガイダンスから「物価安定の目標に向けたモメンタムが損なわれる恐れに注意が必要な間」との前提が削除され、声明文から「モメンタム」の言葉が消えた。具体的な政策対応と物価動向の関係が切り離されたことで、2%の物価安定目標に向けた取り組みは一時的に棚上げされた格好だが、金融政策運営はコロナ対応に注力することが可能となった。
形骸化の「80兆円めど」も撤廃
同会合では国債の買い入れについて、保有残高を年間約80兆円増加させる「めど」も撤廃。現行のイールドカーブコントロール政策の下で国債買い入れが減少する中、市場では「めど」の形骸化が指摘されていた。
足元では、政府がコロナ対策として大規模な国債増発に踏み切っていることもあり、日銀は長期金利を目標のゼロ%程度に誘導するために国債買い入れを増額しているが、 7月20日現在の保有残高は 前年比で14兆円程度の増加にとどまっている。
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July 31, 2020 at 03:00AM
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日銀の物価見通しが現実的に、コロナ下で進むコミュニケーション修正 - ブルームバーグ
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