インフレ退治を目指す積極的な金融引き締めの影響で、米経済のリセッション(景気後退)入りの危険が高まると警戒感が広がるが、米連邦準備制度は2023年の失業率予想を3回連続で上方修正する見込みだ。
ブルームバーグのエコノミスト調査によれば、連邦公開市場委員会(FOMC)最終日の14日に公表される最新予測で、失業率は23年末までに4.6%に上昇する見通しとなりそうだ。9月時点の予想中央値(4.4%)を上回り、現状より失業者が150万人増える恐れがある。
リセッションを招かずにそれほどの失業率上昇が起きれば、前例のない状況となろう。米経済が23年に景気下降局面に入ると大部分の民間セクターの専門家が今や見込む。連邦準備制度理事会(FRB)スタッフエコノミストらも、リセッション入りの確率はほぼ五分五分と先月 警告を発した。
マクロポリシー・パースペクティブスのジュリア・コロナド社長は、誰も自分が連邦準備制度なら「必要なインフレ対応に責任を持っていると伝えたいと考えるだろう。物価抑制が対応の焦点だ。失業率があからさまに上昇するといわないまでも、少なくとも労働市場の需給バランス改善がその一つの要素だ」と指摘した。
今週のFOMC会合では14日の最終日にフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0.5ポイント引き上げ、4.25-4.5%とする決定が行われると広く予想されている。FF金利誘導目標は08年以降で最も高くなる。
同時に公表される最新のドット・プロット(予測分布図)では、FF金利誘導目標が来年5%近くに引き上げられるとのFOMC参加者の見通しが示される公算が大きい。9月時点の4.6%から上向き修正となる。
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は11月28日のスピーチで、「労働市場はなお著しく逼迫(ひっぱく)し、雇用は強く、賃金の急上昇も続く。それでも成長は減速しつつあり、失業率は今の3.7%の水準から来年末までに 4.5-5%に上昇すると想定される」と述べていた。
原題:Fed’s Unemployment Estimates Set to Rise Amid Recession Warnings(抜粋)
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