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Wednesday, November 24, 2021

天理の商店街をカートが走るって? - 朝日新聞デジタル

奈良がわかる!

オシドリの「はなくいどり」は朝日新聞奈良総局の公式キャラクター。正倉院宝物にも描かれた吉祥文様です。花をくわえて、最新のニュースや身近な話題を求めて県内を飛び回ります。

 はなくいどり 12月に天理駅前の天理本通商店街をゴルフカートが走るんだって? 楽しそうだね。

 A 遊びじゃないんだよ。国土交通省が推進する「グリーンスローモビリティ(略称グリスロ)」の実証実験があるんだ。

 は グリスロって何?

 A 時速20キロ未満で公道を走れる電動車を活用した小さな移動サービスで、その車両も含めた総称なんだ。

 は ふーん。どうして天理の商店街でやることになったの?

 A 天理市の玄関口ともいえる天理本通商店街は、天理市本通り商店街と天理市三島本通商店街から成っている。今年の夏、両商店街の協同組合から市に「グリスロの実証実験に手を挙げてほしい」との申し出があったんだ。市が応募したところ、9月に国交省が選ぶ七つの「実証調査地域」に入った。奈良県内ではかつて、桜井市長谷寺の参道で3年前と2年前に1日ずつ実証実験があったよ。

 は 商店街のみなさんはどんな思いから申し出たんだろう。

 A 将来的にカートが走れば、高齢者のお客さんの足になる。シャッターを閉めたままの店舗も目立ってきた商店街として、活性化への起爆剤になってほしいという大きな期待が込められているんだ。日常的に車が入ってこられない商店街での実証実験は、初めてのケースなんだって。

 は 実験はどんな感じでやるの?

 A 12月4~15日の土日と水曜日の6日間。午前10時から午後3時まで、商店街の西側入り口から東側入り口までの約1キロを時速3~5キロで毎日3往復する計画だよ。商店街の両端と途中に計6カ所の「停留所」を設ける。無料で誰でも乗れるよ。降りたら「乗り心地はどうでしたか?」「乗車料がいくらなら乗りますか?」といったアンケートに答えてもらうんだ。

 は どんなカートが走るの?

 A 市は国交省からヤマハ製の「ゴルフカー」2台を貸与されてて、これが連なるようにして移動するよ。1台につき、運転手を含めて7人乗りなんだ。

 は 商店街には歩いたり自転車に乗ったりしているお客さんもいると思うけど、危なくないの?

 A 奈良県警からの指導もあって、一時的に「車道」を設置するんだ。もともと商店街の通路の幅は4・3~7・3メートル。カートの幅が1・3メートルだから、実証実験の時間帯は通路の北側に3メートル幅の「車道」を作ることにした。コーンやポールで仕切るそうだよ。さらに運転手2人を含む13人態勢で危険を回避するんだ。1人はカートの前を歩いて、自転車で向かってきた人によけてもらうよう誘導するよ。

 は わー、大変だ。

 A 法律上、カートは「車両」の扱いになるから、車が入れない商店街を移動するには相応の安全対策が必要ということだね。本格導入はかなりハードルが高そうで、並河健市長も現状では「先端的な課題解決に向けた取り組みを、市としても応援したいと考えています」とだけ語っているよ。(篠原大輔)

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