「私はもう共演できないと思っていました」(麻生)
オダギリ いざインタビューとなると、あらためて麻生さんに訊きたいことないな(笑)。
麻生 いつもしゃべってるもんね(笑)。
オダギリ だいたい食べ物の話が多いかな? 「今何食べたい気分?」とか、どうでもいいことをダラダラずっと喋ってる(笑)。吉岡里帆さんに幼馴染みたいって言われましたね。
麻生 そういうこと言われたね。まあ、友だちといえば友だちだよね。
オダギリ そうだね。なんかちょっと違う気もするけど。俳優でこんなふうに仲良くしている人、他にいないんですよ。でも『時効』以降、2人セットみたいにキャスティングされる時期が続いて。そういうときはなるべく断ってました。
麻生 それ宣言していましたよね。だから私はもう共演できないと思っていました。
オダギリ でもこの『オリバー』をやるとなったとき、麻生さんにお願いせざるをえかった。やっぱり俳優としての能力が高いから。まずこの人が欲しいと考えた一人目でした。
麻生 えーうれしいなあ。でも初監督の映画『ある船頭の話』のときは、声かけてくれなかったよね?
オダギリ あーあれは、ちょっと緊張感を持ってやりたかったから(苦笑)。麻生さんがいると自分が甘えちゃいそうで。
「麻生さんがいなければ、この作品は成立しませんでした」(オダギリ)
麻生 でも『オリバー』もいったん自分から出演をオファーしながら、その後、断ってきましたよね。
オダギリ ああ、あのときは……麻生さんをキャスティングしたいというのは、本当にいちばん最初から考えていて、だから脚本段階から相談して。登場人物の名前とかいっしょに考えてもらったりしてたもんね。この作品の登場人物や場所の名前は麻生さんが考えたものが多いんです。
麻生 けっこう早い時期からドラマを演出するという話を聞いて、いろいろ相談されて。私はちょっとした役でいいから出たいと言っていたけど、実際出来上がった脚本を読んだらかなりガッチリ登場する役。こういう役なんだと思ってその気になっていたら、突然「やっぱり降りてほしい」と(笑)。
オダギリ あれは本当に申し訳なかったです(苦笑)。最初は本当に麻生さんにアテ書きして脚本を作っていたんだけど、麻生さんと僕が組むとやっぱり『時効警察』を連想させるでしょ?それをよろこぶ人もいるのかもしれないけど、『時効警察』にとっても、この作品にとっても、良くないんじゃないかな……と悩んじゃって。
麻生 わざわざ呼び出して、なんだろうと思ったら「やっぱり降りてほしい」と。ひどくないですか(笑)!? しかも他の人だったら誰がいいと思うって相談までされて。
オダギリ ああ、言いましたね(笑)。麻生さんなら誰が良いと思う?とか言っちゃってましたね。
麻生 ショックでしたけど、オダギリさんの気持ちは理解できた。あたしじゃない方がいいという、その気持ちはわかる。正直出たいし、出るつもりではいたけれど、『時効』っぽくなったらっていう気持ちもわかるし、私にとっても『時効警察』は大切な作品なので。しょうがないよねって、文句も言いつつ、いろんな女優さんの名前を出しました。
オダギリ そこは深い信頼関係、ありがとうございます。でもまぁやっぱり麻生さんに当てて書いてるわけで、麻生さんより面白く演じられる人なんているわけないからね。で、「この間はあんなこといいましたが、あらためて出演してもらえませんか」と。
麻生 それはそれでひどいよね。私すごく確かめたもん、本当に出演できるんですか⁉︎って。でもそういうふうに正直に話してくれるのは、考えようによってはありがたいですよね。
オダギリ 自分にとって大切な方なので、誤魔化したり嘘をついたりみたいなことはしたくなくて。
麻生 おたがい正直に接しているから、そういう意味では楽なのかもしれないね。
オダギリ でも何度も言いますが、本当に出ていただいてよかった。麻生さんがいなければ、この作品は成立しませんでした。
麻生 ありがとうございます。次からは、すっきりとしたオファーでお願いします!
※第3回のゲスト永山瑛太さんは、9月15日公開予定です。お楽しみに!
ドラマ10「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」
2021年9月17日、24日、10月1日<全3回放送>
総合 毎週金曜 よる22時~22時45分
鑑識課警察犬係で働く青葉一平(池松壮亮)と相棒の警察犬オリバーが難事件に挑む。オダギリジョー脚本&演出&出演。池松壮亮、永瀬正敏、麻生久美子、本田翼/永山瑛太、國村隼/松重豊、柄本明、橋爪功、佐藤浩市 ほか、オダギリに縁の深い〝大河ドラマ並み〟の豪華キャストも話題。
オダギリジョー
俳優・映画監督
1976年、岡山県生まれ。『アカルイミライ』で映画初主演。2019年は自身のオリジナル脚本による初の長編映画監督作品『ある船頭の話』が第76回ヴェネツィア国際映画祭のヴェニス・デイズ部門に選出され、第56回アンタルヤ映画祭(トルコ)、第24回ケララ国際映画祭(インド)での国際コンペティション部門で最優秀作品賞を受賞した。待機作として、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』がある。
ジャケット¥154,000、パンツ¥110,000、ブーツ¥165,000〈すべてJOHN LAWRENCE SULLIVAN/ジョン ローレンス サリバン TEL:03-5428-0068〉 シャツ¥30,000〈YOHJI YAMAMOTO/ヨウジヤマモト プレスルーム TEL:03-5463-1540〉
麻生久美子
俳優
1978年、千葉県生まれ。1994年に三菱電機のテレビCMでデビュー。1998年に映画『カンゾー先生』のヒロインに抜擢され、一躍注目を集める。その後、数多くの映画賞で主演女優賞に輝く。主な出演作品は、映画では『CASSHERN』『THE 有頂天ホテル』『夕凪の街 桜の国』『インスタント沼』、ドラマでは『時効警察シリーズ』『MIU404』などがある。9月17日より映画『マスカレード・ナイト』が公開される。
トップス¥20,900、スカート¥53,900〈ともにエンフォルド TEL:03-6730-9191〉 イヤリング¥28,600〈ラミエ TEL:03-6303-4206〉
Photos 干田哲平
Styling 西村哲也、井阪恵(dynamic)
Hair&Make-up シラトリユウキ(UMiTOS)、ナライユミ
Words 川上康介
からの記事と詳細 ( オダギリジョー×麻生久美子(後編)──NHKドラマ10『オリバーな犬』放送記念・短期集中連載【第2回】 - GQ JAPAN )
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