
「話し言葉」から独自に進化
「書き言葉」や「話し言葉」とは異なるこうした言葉は、「打ち言葉」と呼ばれます。2018年3月に文化庁が発表した「分かり合うための言語コミュニケーション(報告)※1」で、「話し言葉の要素を多く含む新しい書き言葉」として「打ち言葉」を定義しました。「おk」「うp」のような、打ち間違いを起源にしたと考えられるネットスラングも打ち言葉になります。 ※1 「分かり合うための言語コミュニケーション(報告)」 若者の流行語にも打ち言葉がよくランクインします。Simejiが2019年に発表した「10代女子が選ぶ 流行りの若者言葉・略語 TOP10※2」の1位は「り」です。これは「了解」を意味する言葉で、「りょ」から「り」へと省略化が進みました。5位の「あね」も「あーなるほどね」「あーそうだね」の略で、「あーね」だったのが省略されています。 ※2 「10代女子が選ぶ 流行りの若者言葉・略語 TOP10」 また、書き言葉には声の質や高さ、イントネーションといった「パラ言語(paralanguage)」が含まれないため、打ち言葉では絵文字やスタンプなどで情報を補完します。若い世代は「ぴえん」「アセアセ」といった言葉を文末に入れることで、感情の表現をします。「アセアセ」はマイナビティーンズラボの「【2020年】ティーンが選ぶトレンドランキング※3」の「流行った-コトバ篇」で4位にランクインしています。 ※3 マイナビティーンズラボ「【2020年】ティーンが選ぶトレンドランキング」 いつの時代も若者は独自の言葉を編み出し、仲間内で楽しく使うことで流行語を生み出してきました。オンラインでの交流が増えることで、書き言葉が打ち言葉へと進化し、打ち言葉を口語でも使うようになるケースも生まれています。言葉は生きている、と感じさせられる現象です。 出典:日経パソコン、2021年8月23日号より 鈴木 朋子=ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー 日立ソリューションズにてシステムエンジニア業務に従事、のちフリーライターに。SNS、スマホ、パソコン、Webサービスなど、入門書の著作は20冊を越える。ITの知見と2人の娘の子育て経験を生かして、子どもの安全なIT活用をサポートする「スマホ安全アドバイザー」として活動中。近著は「親が知らない子どものスマホ」(日経BP)、「親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本」(技術評論社)
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