
取材で得た話を「物語」に組み上げる方法
たられば:連載中はたくさんの取材で得た情報を、マンガとして作品にしていくわけですよね。おかざきさんのその過程について伺えるとありがたいのですが…。 おかざき:担当していただいた編集者の方が、打ち合わせを重視するタイプなんですね。月に一度、もうその打ち合わせ日は朝から晩までずっとかかるので、子供たちのご飯をすべて用意して、「じゃあ行ってくるから」と言い残して、1日中ずーっと「次の話はどうしよう」と話し合います。 それは具体的な話ではなくて、雑談も混ざってああだこうだ話し合って、そうするとテーブルの上になんか出来てきた気がして、「あ、なんだか出来てきた気がする」というと、編集者の方も「そうだね、なんとなく出来た気がする」と応じるという感じで進んでいきます。 たられば:それは…たとえば具体的なセリフだったり、シーンだったりではなく…? おかざき:セリフだったりシーンだったりすることもありますが、毎回すごく曖昧ですね。 たられば:ふわっとした話をずっとしているわけですか。 おかざき:はい。この前みたYouTubeの話とかから始まって、だんだん「これ、最澄さんに言わせればいいんじゃない…?」みたいな話をしていきます。そういう見えないものを作っている感覚です。 わたしと担当さんはずっと「いままで見たことがないものを作ろう」という目標があって、だからそれは「これ」とはっきり言葉にはできないんですよね。セッションを続けて新しいメロディを生み出す…みたいな。 たられば:それは…たとえば『阿・吽』で唐の高僧が最澄さんに「あなたは頭がいいし才能もあるし努力もされる……ただ、運がない」と言ったときに、最澄さんが「知っている」とすぱーんと答えたあの名シーンのような…。
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