学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざん問題で、国は22日、自殺した近畿財務局職員、赤木俊夫さん(当時54歳)が改ざんの経緯をまとめた「赤木ファイル」を遺族に開示した。遺族側の代理人弁護士が明らかにした。
ファイルは改ざんの経緯を時系列に記した文書や、財務省と近畿財務局との間で交わされたメールなど約500ページに上る。
赤木さんが作成した「本省の対応」と題する文書では、財務省が学園に厚遇したと受け取られる恐れのある部分を売却などに関する調書から削除する方針を示したのに対し、財務局側が「現場として厚遇した事実もないし、(会計)検査院等にも原調書のままで説明するのが適切」と意見し、「修正に抵抗」したと記載。「現場の問題意識として既に決裁済みの調書を修正することは問題があり行うべきではないと、本省審理室担当補佐に強く抗議した」とも記していた。
ファイルは22日午前、大阪市内にある代理人の事務所に郵送された。赤木さんの妻雅子さん(50)が国などに損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が23日、大阪地裁で開かれる予定で、国は地裁にもファイルを提出していた。
訴状などによると、財務局の上席国有財産管理官だった赤木さんは2017年2月以降に数回、改ざん作業を強いられた。うつ病と診断されて休職し、改ざん問題が発覚した直後の18年3月に自宅で命を絶った。 財務省が18年6月に公表した調査報告書は、佐川宣寿理財局長(当時)の意向を確認した同省幹部らが財務局に改ざんを指示し、双方が連携して作業を進めたと認定。指示の時期や伝達ルート、財務局が一時反発していたことは公表したが、改ざんに至った具体的なやり取りは明らかにしなかった。
ファイルは、赤木さんの当時の上司が「(改ざんの経緯が)全部書いてある」と雅子さんに証言したことで存在が明らかになった。 雅子さんは提訴した20年3月以降、赤木さんが受けた心理的負担の立証には、ファイルの開示が不可欠だと訴えてきた。存否すら回答してこなかった国は21年5月、地裁の要請に応じ存在を一転して認め、一部をマスキング(黒塗り)処理して6月23日の口頭弁論までに開示する方針を示していた。【松本紫帆】
からの記事と詳細 ( 決裁文書の「修正に抵抗」赤木ファイルに財務省改ざん要求経緯 - 毎日新聞 - 毎日新聞 )
https://ift.tt/3vOw9gV
No comments:
Post a Comment