◆「サマリーポケット」誕生の背景
山本:サマリー社は最初、「Sumally」というソーシャルメディアを立ち上げました。あるモノに対して、欲しい人と持っている人が紐づいていくようなサービスです。“モノ版Twitter”みたいな感じですね。 高須:なるほど。 山本:それで、Instagramなどの「いいね!」の代わりに「want」(欲しい)と「have」(持っている)を選ぶことができて、そこをマーケットプレイスとして発展させると面白いんじゃないかと思いました。そして、ユーザー数が100万人ぐらいになったら“なんとかなる”と思い、マネタイズ(収益化)ではなくメディアを大きくすることに注力して、3~4年ぐらいで100万人に到達しました。 高須:すごいですね。 山本:その規模になって、やっと“収益をあげていける”と思いましたね。(それまでは、)みんな新しいモノの情報を求めてアクセスはしてくれるものの、“モノを売りたい”とは思ってもらえなくて。「このサービスは、ウィンドウショッピングや雑誌を読んでいる感覚に近い」って言われていたんですね。想像してみると、表参道で買い物をしているときに「あなたのバッグを売りませんか?」と言われても、なかなか売る気にはならないなって思いました。 高須:そりゃそうだね。 山本:それで、新しい切り口はないかと思ったときに、寺田倉庫さんと「何か一緒にできたら面白いですね」ってお話をさせていただく機会がありまして。 高須:いい出会いだねえ。 山本:「Sumally」では「have」の履歴を見ることが面白さの1つとしてあったので、最初は「寺田倉庫さんに預けている荷物を『Sumally』に公開できたら面白いかもね」って話をしていたんです。 だけど、「そもそも、預けているモノをユーザーは公開したいのか?」と思ってしまって。であれば、リアルに持っているモノをアーカイブとして預かりながら、写真で撮って管理をしようと考えました。 高須:そうすることで、どれぐらいの年代の人がどんなモノを持っているのか、エリアごとのデータがわかるわけですね。 山本:そのデータは元々「Sumally」で蓄積されています。そこにリアルなモノまで紐づけて、保管機能とともに展開したら面白いんじゃないかなと思ったんです。そうして生まれたのが、宅配収納サービス「サマリーポケット」です。 高須:よく保管機能を導入できましたね。 山本:そのタイミングで寺田倉庫さんが出資とサポートをしてくださいました。 高須:だとしても、「サマリーポケット」の利用料って、月額で税込275円ですよね。普通はうまくいくって思わないんじゃないですか? 山本:(使用料を)ギリギリまで下げてみるのも面白いなって思ったんです。1ヵ月だけの利用だと、もちろん利益は出ないし赤字です。最初のコストを半年から1年弱かけてまず回収をして、そこからやっと利益が生まれる状態になります。つまり、“預け続けていただく”ことで成立するビジネスですね。そうするためには、ユーザーさんが満足して使い続ける状況を設計していく必要があります。
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