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Tuesday, March 2, 2021

刑務所を舞台にしたコメディで存分に笑って! | Confetti - カンフェティ

およそ十年来の付き合いだという冨田昌則と亀田真二郎が、前作『Dear my パパ』(2019)以来、再びタッグを組む。今回の舞台は、なんと刑務所。田中涼星が演じる神木坂つばさという映画スターが、囚人番号99番として、刑務所にやってきて……。設定も面白そうだが、さらにアクションあり、歌もダンスもありだという。予測不能なコメディになる予感。演出とアクション監督を務める冨田と、脚本を担当する亀田に話を聞いた。

インタビュー写真

―――お二人はおよそ十年来のお付き合いだそうですね。

亀田「はい。僕がたまたま冨田さんの演出助手をやったことがきっかけだったかなと思います。」

冨田「そうだね。」

亀田「あるとき、僕が『仕事がないから芝居を辞めようかな』と冨田さんに言ったら『ダメだよ、そんなこと言ったら』と止めてくれて。冨田さんがお忙しかったこともあって、冨田さんが講師をされていた養成所で、時々代講を担当させてもらうようになったんですよ。」

冨田「それでグッと近づいたね。」

―――前回の『Dear my パパ』は冨田さんから亀田さんにお声がけしたそうですね。

冨田「そうです。亀ちゃん(亀田)はね、僕にないところを持っているんですよ。この服装を見て分かっていただけるように(笑)、僕はチャラチャラしているけど、亀ちゃんはしっかり者で、細かいところまでちゃんと見てくれる。
 前作もそうですけど、みんなが温かい気持ちになる作品が亀ちゃんは得意。こういうご時世だから、みんなが楽しめるものをやりたいと思って、前回に引き続き、面白いものをやろうよと今回も土下座させてもらいました(笑)」

亀田「完全オリジナルの話を書かせていただいています。脚本家として、2.5次元の作品も書いていますが、それとは違う面白さがあります。0から1にする作業を自分でやるので、それは本当にありがたいですね。冨田さんも仰っていましたけど、僕と冨田さんって全然違うので(笑)」

冨田「そうなの。学生時代なら、仲良くならないタイプだよね(笑)。まぁ大人になったら、そういう方がうまくいくことが多いけど。」

亀田「僕、自分の脚本が思い描いていたものと全然違う方向になるの好きなんですよ。自分の脚本を自分で演出すると、自分が思っている通りにしかならないんですけど、冨田さんはじめ、自分以外の人に演出していただくと、良い意味で全然違う方向に膨らむ。自分一人だったら絶対行けないところにいけるので、それがとても嬉しいですし、楽しいんです。」

―――今回の『99(ナインティナイン)』はどんなお話なのですか?

亀田「刑務所が舞台です。めちゃめちゃ厳しくて、みんなから嫌われている刑務官がいて、ある日、囚人で入ってきたのが、自分が大好きな映画スターだったらどうなんだろう。興奮しておかしなことになっていったら面白いな。そんなところから着想したストーリーです。」

冨田「その映画スターを田中涼星、刑務官を稲垣成弥がやってくれます。」

亀田「絶対ハマるだろうなと思います。刑務官が変わっていくと同時に、その99番という囚人も自分の力でもう一度道を切り開いていく。前向きになれる作品じゃないかなと思います。」

―――アクションはもちろん、歌もダンスもあるそうですね。

冨田「そうそう。市瀬秀和に殺陣師の役をやってもらうし、テノール歌手の吉村敏秀にも出てもらうので。最後は大立ち回りで見せていきますよ!」

インタビュー写真

―――今回の見どころは?

冨田「もちろんアクションも観てほしいですけど、普段2.5次元舞台を中心に活躍している若手俳優たちが、オリジナル作品でどう役を生きてくれるか。稽古をしていると、『余白』がたくさんあるんです。もっとこうできるんじゃないか、ああできるんじゃないかっていうね。原作ものではない、オリジナル作品だと、考え方次第で、その余白を自由に埋められるんです。
 彼らの可能性をもっと引き出していきたいと思っています。彼らが2.5次元舞台ではない、原作ものではない作品で、どれぐらい面白いことを見せて提供できるか。ぜひ期待してほしいですね。この作品で得たものが、彼らの今後にプラスになるといいな。」

亀田「あまり難しいこと考えずに笑ってほしいですね。刑務所が舞台だし、リアルに考えたらこんなことありえないんですけど。でも、今の世の中が揚げ足取りの連発で、すごく窮屈じゃないですか。これはあくまでフィクションの世界。だからこそ、何も考えずに笑ってほしい。
 囚人はリアルに考えたら悪いやつかもしれないけど、角度を変えてみたときに、すごく愛らしく面白く映る瞬間があるかもしれない。人間同士のやりとりを楽しんでくれたら、嬉しいです。」

―――楽しみにされているお客様にメッセージをお願いします!
 
亀田「僕はどんな作品をやっているときも、特にお芝居に触れたことがない人に観てほしいという思いがあります。もちろん2.5次元舞台なら原作のファンや俳優のファンが多く来てくださって、それはありがたいことだと思っているんですけどね。
 でも、彼女に無理やり連れてこられた彼氏とか、同僚にゴリ押しされて嫌々劇場に来た人とかを笑わせたい。そういう人が笑ってくれてこそ、僕らのやっていることに価値が生まれるんじゃないかと思っていて。普段あまりお芝居を観ていない人でも楽しめる作品だと思うので、ぜひ楽しんでほしいです。」

冨田「僕は子どもの頃に、アクション映画が好きでよく観に行っていたんです。不思議なもので、観終わって映画館を出たら、戦ったこともないのに、すげぇ強くなった気になるじゃないですか(笑)。アクションものって、そういう良さがある。
 今回の作品も、なんとなく強くなった気持ちで帰ってもらえる気がするんです。なので、疲れている人おいでよ! 劇場を出たときに、笑顔でいてほしいですね。肩肘張らず、いろいろな人に観てほしい。博品館劇場で待ってます!」

(取材・文&撮影:五月女菜穂)

キメ画像2

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