消しゴムハンコ作家で、忌野清志郎さんの長女・百世(ももよ)さんの連載「よなよなハンコ」。昔の自分が残した作文や日記。たまに発掘すると、読み返したいような、封印してしまいたいような……。過去の自分との邂逅(かいこう)は、不思議な時間です。今回百世さんは、小学生の頃に描いた絵本を見つけたそうです。どんな“出会い”が待っていたのでしょうか?
◇
よなよなハンコもあと2回。さて何を書こうと思ったら、私が小学生のときに描いた絵本を発見しました! 学校の授業で作ったものでもなさそうなので、絵本を描くのが私の中でブームだったのかな? なんだか今の自分にもつながってる感じがしたので、今回はその絵本のお話を。
その表紙には「ふえちゃんのかぞく」というタイトルが書いてあり、主人公のふえちゃん、父ゆうたくん、母へなちゃん、姉のマルちゃんの4人家族が描かれていました。
みんな笑って楽しそうな絵で、これは家族の話を描いた絵本なんだな~と思い、ワクワクしながらページをめくると……

ある日、テープくんとふえちゃんがデートをしていました。
いきなり知らないキャラクターのテープくんがでてきた! しかもデートって恋愛の絵本だったのか!と思い読み進める。
「おごろうか」
「いいわ。ふたりでたべるんだから、ふたりではらいましょ」
「そうだね」
わ~まさかの割り勘を絵本で描いてる! 小学生なのにキッチリしてるな、わたし。
ふたりはデーパートでしょくじをしました。ふたりともおいしそうにたべていました。
ところがそのときじけんがありました
デーパートも気になるけど、事件って一体何が!?

ふたりとも、おならがでてしまったのです。
「プーーーーーーーブプププブーーー」
「くさ」「くさーい」
ふたりともはずかしそうでした。
おきゃくさんがたべていたときだったので、おこられてしまいました。
「ああ」
事件ってオナラだったのか。しかも怒られるくらい臭いってどんだけ! 最後の「ああ」ってセリフもなんだか悲しそうだし。
「次のデートのときには、おならしないキノコをたべよう。」
でもふえちゃんはキノコがきらいだったのです。
そしてデートの日、ふたりはがまんしてきのこをたべました。
「けっこうおいしいね」「うんそうだね」
でもおならがまたでてしまいました。そのはなしは、うそだったのでした。
ここでお話は終わり。急にでてきた全く知らないキノコ、ちゃんと食べられたんだなぁと思ったら効果なかった! だれから聞いた話だったんだろう……。
しかしなぜこんなに2人はオナラがでるんだ? 表紙にいた家族も最後まで一切出てこなかったしなぁ。
ナゾが残る不思議な話だったけど、割り勘は、お金を数えるのが趣味だったから書いたのかな〜とか、デパートは母と買い物に行くステキな場所と思ってたからだろうな〜と当時の自分を少し思い出しました。
オナラもだけど、そもそも笛とテープの組み合わせはどこから来たんだろう? 一番不思議。でもしっかりしてる部分や子供らしいところもあって、自分でも笑って、ほっこりとしちゃいました!
今回の消しゴムハンコは、ふえちゃんとテープくん! 当時の絵をほぼ再現してみました。
何の笛がモチーフなのかは全く分からないですが、ふえちゃんは丸いフラスコみたいな形。テープくんは下の部分に三角があって何?と思ったら口のようです。
どっちも今でも描いていそうで、このときからキャラクターのテイストは全然変わらないんだなぁと絵本を読んでしみじみ思ったのでした。
百世
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からの記事と詳細 ( デートはまさかの割り勘派! 昔の自分にほっこり、不思議な絵本 - 朝日新聞社 )
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