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Saturday, February 20, 2021

『Surviving Mars』で現地に行ってみよう!火星はスペースレースの最前線【ゲームで英語漬け#47】 - Game*Spark

2021年2月19日午前5時55分(日本時間)、NASAの探査機「パーサヴィアランス」が無事火星地表に着陸しました。先の「キュリオシティ」以来9年ぶりの地表探査ですが、中国の天問1号が2月10日付で周回軌道に入っており、5月には探査機を地表投入する予定。米中の宇宙開発競争が本格的に展開しています。

今回のミッションは将来に向けた下調べも含まれており、『Surviving Mars』のような火星入植が現実に動き出したことを意味しています。今回は同作のプレイ画面を交えながら、パーサアヴィアランスのミッションについて詳しく見ていきましょう。

練習問題の解答

1,Love Like Fire:Generation X
2,Stairway to Heaven:Led Zeppelin
3,War Pigs:Black Sabbath

『サイバーパンク2077』のクエスト名より。ブラックサバスの「War Pigs」は冷戦とベトナム戦争の最中に発表されたストレートな反戦歌です。

火星開拓の橋頭堡となるか パーサヴィアランスの目的

これまでにNASAは4台の「Rover(探査車)」を火星に送り込みましたが、今回の「Perseverance」という命名はこれまでとは傾向が異なります。その意味は「忍耐」で、過去の「Curiosity(好奇心)」や「Oppotunity(機会)」よりもややネガティブな印象を持ちますね。これは今回のミッションが探索のみならず、今後の開発を見越した堅実な作業をする、という目標を表すと見て取れます。

実際パーサヴィアランスは過去の探査機と比較して低コスト、低リスクで運用できる設計になっており、これからの探査が単なる冒険でないことを示しています。ローバーにはヘリコプター「Ingenuity(創意工夫)」が追従しており、こちらは地球外における初の空力飛行を行います。

パーサヴィアランスの探査には、4つの目標が掲げられています。

  • Looking for Habitability:生命生存可能性の探査
  • Seeking Biosignatures:生命の痕跡の調査
  • Caching Samples:サンプルの蓄積
  • Preparing for Humans:人類のための準備

これら全てに重要なのが「水」の存在です。地球の隣の惑星に水があったなら、同様に生命が誕生した可能性があり、また地球の生命が住める環境が作れるかもしれません。そのため、現在の火星探査で最も重要視しているのが「Water Deposit(水の埋蔵場所)」の場所を突き止めることなのです。


パーサヴィアランスの着陸した地点は経度+77度、緯度+18度のポイント。クレーターが多い地点のため隕石の脅威は高いですが、水資源は豊富にあると見込まれています。平地が広がっていて開発にも適している場所ですね。実際の着陸ポイント「Jezero Crater」は、かつて湖のように水が溜まっていた痕跡が確認されています。

ゲーム内にあるこの地形は水の底に沈殿した泥の痕跡です。このエリア一帯はかつては湖、あるいは海だったことを示しています。

パーサヴィアランスがこれまでの探査と違うのは「Preparing for Humans」、つまり「いずれ後から来るであろう火星入植の人類」を見越していることです。そのため、パーサヴィアランスには観測機器だけでなく、実証実験を行うための機器も搭載されています。

「MOXIE(The Mars Oxygen In-Situ Resource Utilization Experiment)」という装置は火星の大気から酸素を生成するもので、『Surviving Mars』においても入植ドームを維持するのに不可欠です。火星の大気の96%は二酸化炭素で組成されており、成功すれば生命維持の他にも液体燃料の利用も見込めます。

また、パーサヴィアランスが採取するサンプルはその場で分析するだけでなく、後続が回収して地球に送ることを想定しています。つまり、探査機を送り込んで終わりではなく、火星と地球の継続的な往復が実現する日のために、予めサンプルを貯めておくのです。「いつか」の未来ではなく、「いずれ」の未来がこうして明確に提示されると、改めて宇宙開発が次の段階に進んだことを感じますね。

火星入植とテラフォーミングが現実的に見えてきたところですが、1つ大きな問題があります。それは、火星生命の痕跡を発見した場合に地球の都合で環境を変えてしまって良いのか、ということです。当然ながら火星生命が現存する可能性が浮上するので、地球の物質や微生物を持ち込めば絶滅に繋がる場合も想定されます。テラフォーミングはそもそも火星に生命が住めないことを前提に構想された物なので、まず全面的に禁止されるでしょう。

地球外生命体が見つかるか、あるいはテラフォーミングに踏み切るか、実際どちらになるかは分かりませんが、もうすでに「SFの世界」ではなく、人類の手に届くところまで来ているのです。

覚えておきたい英単語集

  • Extractor:抽出機
  • Water Vaporator:水分凝結機
  • Hydroponic:水耕の
  • Self-Sufficient:自給自足
  • Vegetation:植生
  • Atmosphere:大気
  • Water-Reclametion:水の再利用
  • Sustainable:持続可能な
  • Martian:火星の人
  • Marsquake:火星の地震

今週のキーフレーズ:Geologists have a saying - rocks remember.

地質学者はこんなことを言う。「岩は記憶する」と。(ニール・アームストロング)

惑星探査では主に地表を観察して、隆起や浸食、火山の噴火などでどのように地形が形成されたかを考察します。例えば冥王星に氷の平原が発見されて話題になりましたが、大気の薄い冥王星には隕石が直に落ちるので、クレーターが全くないのは不自然です。つまりクレーターができても自然に消滅するような働きが起きていることを示しています。氷は完全に固まらず流動的、それは地下で何らかの液体が動いている可能性があるのです。

近年は地球外の水が次々に見つかっていて、太陽系の見方がこれから大きく変わっていくでしょう。

練習問題:以下の英文を訳しなさい。

Perseverance. We as humans evolved as creatures who could learn to adapt to any situation, no matter how harsh.

探査機命名の公募から選ばれたのは、7年生(日本の中学1年生に相当)のAlexander Mather君でした。その推薦コメントより。

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