奈良県橿原市 河合酒造
【日本酒研究会月例会 全6回の③】
2007年の発足以来、足掛け14年目に入った日本酒研究会月例会だが、コロナ禍で2020年4月から7カ月間、開催を自粛していた。今回は再開以来2回目の月例会。
月例会場のE居酒屋には「唎酒師兼セレクトバイヤーKさん」が背後に控えている。およそ1300蔵(実数字は誰も知らない)あるだろうとみられている日本酒の現役蔵の酒を全部飲んでみたい、と燃えている当会の趣旨をKさんは十分理解したうえでのランナップを作ってくれる。その気持ちは本当に嬉しい。感謝、感激だ。今回も4種類の酒が初蔵酒だった。おかげで飲んだ蔵数はこれで1187蔵になった。
「嬉長」「松の友」と飲み進め、3番目にいただいたのは「出世男 上品寺屋 純米吟醸」だった。これら3つの奈良酒は、わたくしたちにとっていずれも初蔵酒だ。嬉しい限りだ。初蔵酒3連発に、わたくしたちは大いに盛り上がる。
それにしても、酒名が「出世男」とはすごい。出世欲のあるサラリーマン必飲のお酒だ。わたくしはといえば、とうに会社を卒業しているので、いまさら「出世男」を飲んでも、どうということはない。かなしいかな、嗚呼。それはさておき、いただいてみる。
酒蛙「さらっとした口当たり。キレが良い」
Y 「うん、そうだね」
酒蛙「鼻に抜ける感じがいい。わずかに木桶を連想させるような独特な香りが鼻に抜けていく。旨みが適度に出ており、旨辛い味わい。余韻は辛み。けっこう綺麗な辛口酒だ」
Y 「酸味が無い」
酒蛙「同感だ。燗にすれば出てくるのかな」
ここでみんな、酒名「上品寺屋」の読み方について、「上品な寺屋で、上品-寺屋か? でもなあ、寺屋の意味がわかんねぇ~」など、あーでもない、こーでもない。すると、新加入のHがスマホをいじりながら検索「上品寺-屋ですよ」と報告。みんなは「な~るほど」。
しかし、だ。それについては、実は瓶の首に掛けられていたタグに書かれていたのだ。誰もそれを読まないで、とんまな議論をしていたとは笑える。もっとも、タグの字は小さいため、老眼のメンバーたちは、薄暗い店内では読めなかったかも。タグに書かれている文章は以下の通り。「上品寺屋」は屋号だったのだ。
「上品寺屋(じょうぼんじや) 江戸時代から寺内町として今も古い街並みが続く今井町(奈良県橿原市)は全国重要伝統建造物群保存地区に指定されており、重要文化財である当蔵・河合酒造は往時“上品寺屋”という屋号で酒造業を営み現(原文ママ)に至っております」
瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合60%、アルコール分15度、製造年月2.11」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。
超ユニークな酒名「出世男」の由来について、日本の名酒事典は「18世紀初頭の創業。男の夢を酒名に込めてつけられた」と説明している。
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