昨年ツアールーキーながら全英女子オープン制覇という快挙を成し遂げ、賞金女王争いも繰り広げた渋野日向子。そんな彼女をサポートしているコーチ・青木翔は、欠点を修正するのは優先して取り組むべきではないという。果たしてどういうことか、自身の著者「打ち方は教えない。」から教えてもらおう。
欠点の修正は後回しにする
指導や教育で「ズバリの答えを教えすぎる」ことのほかに、もう1つ成長の妨げになってしまっているものがあります。 それは「欠点を修正するように指導する」ことです。 できていないことをできるようにするのは必要なことですが、優先して取り組むべきものではありません。 欠点を克服するための練習は、なかなか成果が出ません。だから本人のモチベーションが非常に上がりにくい。 得意教科があるのに、苦手な科目の補習や追試ばかりをさせられていたら、勉強は嫌いになってしまいますよね? それと同じです。 多くの場合、欠点は苦手だから欠点なのです。その苦手なことをずっとやり続けるのは、明確に叶えたい夢がある人でも辛いものです。 僕はプロを目指す選手に、常々「ザルに引っかかるような石を目指して」と伝えています。 プロテストとは、目の粗いザルで石をふるいにかけているようなものです。 残るのは大きな石。そしてもう1つはいびつな形の石です。丸くてこぎれいな石は、よほど大きくないと粗い目には引っかかりません。 形がいびつというのは、尖った長所があるということです。
長所を伸ばす練習はモチベーションが下がりにくい
得意分野を見つけてそこに一生懸命に打ち込んでいれば、モチベーションは下がりにくい。 しぶこはしっかりとクラブを振り切れて、距離を出すことができるのが長所でした。そのため、まずはそこを徹底的に伸ばすように取り組んだのです。 一方、アプローチはバリエーションも少なく苦手。だからそこはプロになってから3年くらいをかけて、伸ばしていこうと思っています。 ポイントは長所を伸ばす練習と言いながらも、こっそりと欠点も埋まるようなエッセンスを練習に入れておくことです。これがコーチの腕の見せ所。苦手なピーマンをすりつぶしてハンバーグに入れるように、練習メニューや課題作りで頭をひねってみてください。 それがうまくいけば、いつの間にか苦手だったピーマンを食べられるようになっている(笑)。それがゴールです。 長所を伸ばし欠点の穴埋めを後回しにすると、石は目指すべきいびつな形になります。へこんでいる部分をもう少し伸ばせれば、結果がすぐ出るだろうと思うことでしょう。 でもそこは我慢です。尖った部分が徐々に成長して、やがて石全体を大きくするのを待ちましょう。 「打ち方は教えない。」(ゴルフダイジェスト社)より
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August 22, 2020 at 04:32PM
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目指すべきは「ザルに引っかかるような石」。渋野日向子のコーチが教える、長所を“とがらせる”指導法【打ち方は教えない。】(みんなのゴルフダイジェスト) - Yahoo!ニュース
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