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【京都１１Ｒ・天皇賞（春）】
ひいきの居酒屋は、緊急事態宣言のため今週も夜の営業を取りやめている。これで３週続けて「居酒屋行けないブルース」だ（苦笑）。でも大丈夫。今週もランチをやっている日に食べに行って、その際にアルバイトの桃ちゃんの本命を聞いてきた。
というわけで、今週も「居酒屋ブルース ランチ編」をどうぞ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
在宅勤務に休日の外出自粛。そのため運動不足は否めない。というわけで、ひいきの居酒屋へランチを食べに行ったときは家から歩いた。電車に乗らなければ濃厚接触の心配もないし。近くで働いているサラリーマンが引けた頃を見計らって店に入り、「しまほっけの炭火焼き定食」を注文。舌鼓を打ち、おなかがこなれるのを待っていると、他の客が帰っていった。桃ちゃんに話しかけるチャンス。
桃ちゃん、サンケイスポーツ賞フローラＳはおめでとう。皐月賞に続いての的中だね。
「ありがとうございます。鈴木さんは皐月賞に続き連敗ですね」
琢磨みたいなイヤミが入っているような…。
「また出た。その琢磨さんという方はどなたですか？」
気にしないで。さすがダミアン・レーンだね。桃ちゃんが本命にした２番人気のホウオウピースフルをしっかり２着に持ってきた。それに引き換えルメールは、圧倒的１番人気のスカイグルーヴに騎乗して５着…
「本命でしたものね。でもルメールさんのせいではなく、敗因は１４キロも馬体重が減っていたことでしょう」
そうだね。直線はダートコースから流れてきた砂嵐が激しく舞うほど、すごい向かい風だったこともあって、最後はスタミナ切れみたいな感じで止まったもんね。
「４３０キロですからね…。その点、ホウオウピースフルは４８０キロ近い体重なので、強風にもあおられずに走っていましたね。そういう意味でもラッキーでした」
こっちはアンラッキーだよ。
「ドンマイ！」
ありがとう。そういえば、ウェブサイト「サンスポＺＢＡＴ！競馬」の「みんなの反省会」に無観客ならではの面白い話が載っていたよ。競馬エイトの沢田知希トラックマンが東京競馬場でレースを見ていていたら、フローラＳの最後の直線で「あーっ！」という叫び声が競馬場に響き渡ったらしいよ。「なんだ？」って思っていたら、パトロールビデオを見て、勝ったウインマリリンの横山武史がムチを落としていたというより、後方にほうり投げた感じだったので、その声だったのかって合点がいったそうだよ。
「騎手の絶叫なんて、観客が入っていたら大歓声にかき消されて絶対に聞こえないですもんね。競馬場に行けてうらやましい」
確かに。僕も東京競馬記者クラブに入っていても、取材制限がかかっている今は競馬場に行けないから、直にレースを見られる沢田トラックマンがうらやましいよ。
そうそう、先週の土曜日は、藤田菜七子がＪＲＡ通算１００勝を福島競馬場で達成したけど、こちらは東京競馬場よりも少ない人しか生で見られなかったんだよね。その目撃者の一人だった吉田均トラックマンが、「サンスポＺＢＡＴ！競馬」のリレーコラムで「福島競馬の土曜１Ｒ。藤田菜七子騎手のＪＲＡ通算１００勝がいきなり達成されましたが、無観客競馬でまったく盛り上がりもなかった」と書いていたけど、日本競馬史の目撃者になっただけでもうらやましいよ。
「ホント、競馬ファンはレースを目の前で見られないんですから。嫉妬しちゃいます」
早く競馬場に大歓声が戻るといいね。
今週は春の天皇賞だけど、桃ちゃんはどの馬を本命にしたの？
「春の盾では不利といわれる大外枠に入ったのは気になりますが、ルメールさんが騎乗するフィエールマンの連覇に期待しています。去年の天皇賞でクビ差の接戦を演じたグローリーヴェイズは暮れの香港ヴァーズを制覇。その２頭で３着に６馬身差もつけたんですから、このメンバーなら３２００メートル戦では能力が抜けています。勝てば史上５頭目の春の盾連覇で、ルメールさんは前人未到の春秋盾４連覇が懸かります。それだけでもワクワクしますね。大外枠が響いて勝てなくても、馬券圏には入ってくれると思います。鈴木さんの本命は？」
キセキだよ。
「それって週刊Ｇａｌｌｏｐの…」
『’２０春の古馬ＧＩ大予想』という企画で、春の盾の勝ち馬に挙げた馬。そこで挙げた馬がちゃんと出走してきたら、本命にしようと決めていたんだよ。
「阪神大賞典は大出遅れでしたね」
うん。あれで「天皇賞回避」なんて報道が出たから、どの馬を本命にしよう…って困ったときもあったよ。たった一度の致命的な出遅れだけでやめないでよって思ったけど、すぐに出走することになったからよかった。
意外なことに、京都で走るのは初のＧＩタイトルを獲得した２０１７年菊花賞以来２年半ぶりなんだってね。京都は１戦１勝。今回で２戦２勝になったりして。
泥田のような不良馬場だった菊花賞を制したように、スタミナの鬼。前走だってあれだけ出遅れて、道中は引っ掛かっていたのに３馬身３／４差の７着で済んだのは無尽蔵といえるスタミナを持っているからこそだろう。
鞍上が武豊というのも魅力だね。鞍上は春の盾でＪＲＡ同一ＧＩ最多の８勝を挙げており、「平成の盾男」の異名を持つ。長丁場でのうまさは随一。昨年の菊花賞でワールドプレミアの勝たせた手腕は「さすが！」と大向こうをうならせるものだった。「大向こうをうならせる」はサンスポの御大・水戸正晴記者が得意にしているフレーズだよ。
週刊Ｇａｌｌｏｐによると、「初騎乗なので変な先入観を持たず、自分の感覚を大事にして、この馬の能力を引き出したい」と語っているように、たとえ出遅れたとしても、無理せず馬なりで控える競馬をするのではないか。後入れの偶数８番枠に入ったのもいいね。
平成初の天皇賞をイナリワンで制した男が、令和初の春の盾も制すとみたよ。
そういえばこの前、用事があって御茶ノ水に行ったついでに、神田明神へお参りしてきたんだ。知り合いの権禰宜（ごんねぎ）さんに電話したら「すみません。自宅待機です」って。コロナ禍で神社も人員を絞って仕事しているんだね。
確かにそれでも大丈夫って思えるほど、参拝している人は少なかったよ。参道も閑散としたものだった。境内にいるのもほんの数人。そのぶん、ゆっくり願い事を言えたのでよかったかな。この前は、昔々に神田明神があったところにある将門塚をお参りしたら桜花賞を的中できたので、今回もいいことがあるかもしれない。
◎⑧キセキ
○⑦ユーキャンスマイル
▲③トーセンカンビーナ
☆⑭フィエールマン
△①モズベッロ
△⑤ミッキースワロー
△⑪メイショウテンゲン
《３連複》２頭軸流し
⑧－⑦－①③⑤⑪⑭（５点） 各１０００円
⑧－③－①⑤⑦⑪⑭（５点） 各６００円
⑧－⑭－①③⑤⑦⑪（５点） 各４００円
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主な登場人物
ミチヤ…ひいきの居酒屋の店主。ずぶの素人から、どこまで競馬に興味を持ってくれるか
桃ちゃん…ひいきの居酒屋のアルバイト。馬券のセンスが抜群の競馬女子（ＵＭＡＪＯ）。ちなみに、居酒屋ブルースのＵＭＡＪＯは、酒場のあすピー→バイトのマヤ姉（ねえ）→桃ちゃんと変遷
カズマサ…夢の中の（？）ひいきの居酒屋の店主。馬券はデータ派。この居酒屋ブルースの世界から去っていった
琢磨…夢の中の（？）ひいきの居酒屋のスタッフ。好不調の波はあるが、馬券が当たると好調が続く。カズマサ同様、この居酒屋ブルースの世界から去っていった
もりやさん…夢の中の（？）ひいきの居酒屋の常連客。競馬とお酒が大好き。カズマサ、琢磨と一緒にこの居酒屋ブルースの世界から去っていった
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May 02, 2020 at 01:17PM
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