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Thursday, April 9, 2020

「落ち着きのある子ども」は「感情の名前」を教えて育つ - ダイヤモンド・オンライン

全世界でシリーズ累計100万部超のベストセラー『ブレイン・ルール』の第2作目にあたる『100万人が信頼した脳科学者の絶対に賢い子になる子育てバイブル』がついに日本上陸。「賢く幸せな子になってほしい」と願うすべての親のために、科学的に何度も「正しい」と認められた子育ての手法だけが紹介されている。本連載では同書より特別に一部を公開する。

Photo: Adobe Stock

子どもの感情を言葉であらわす

 「これ、きらい」お客さんたちが帰っていくと、3歳の女の子がつぶやいた。おねえちゃんのアリーのお誕生会のあいだ、妹はずっと機嫌が悪かったのだが、いまやむくむくと怒りが湧きあがってきたようだ。「アリーのお人形がほしいの! これじゃイヤ!」

 両親は妹のためにも一応プレゼントを買っておいたのだが、この戦略は裏目にでたようだ。妹が床に人形を投げつけ、泣きはじめた。「アリーのお人形! アリーのがいい!」このように子どもが癇癪を起こしたとき、親にはいくつか対処法があることは想像がつくだろう。

「悲しそうだね。悲しい?」父親はそう言うことにした。妹はうなずいたけれど、まだ怒っている。父親は先を続けた。

「どうして悲しいのか、お父さんが理由をあててみようか。おまえが悲しいのは、アリーがたくさんのプレゼントをひとりじめしたからだ。おまえには、たったひとつしかないのに!」妹がまたうなずいた。「おねえちゃんとおんなじ数のプレゼントが欲しいのに、自分はもらえない。そんなのは不公平だ。だから、悲しいんだろう?」父親は大げさな口調で語りかけた。

「お父さんが欲しいものを、だれかがもらっていて、自分はもらえないときには、お父さんもやっぱり悲しくなるよ」そう言うと、父親は口をつぐんだ。しばらくすると、感情を言葉で表現するのが得意な親がよく使うせりふを口にした。「そういう気持ちには名前がついてる。どんな言葉か、知りたいかい?」すると妹がめそめそしながら「うん」と、応じた。すると父親は妹を抱きかかえた。

「そういうのを“やきもち“って言うんだよ。おまえはアリーがもらったたくさんのプレゼントが欲しかったのに、もらえなかった。おまえはやきもちを焼いたのさ」妹は甘えたように泣いていたが、だんだん落ち着いてきた。「やきもち」と、妹が小声で言った。「そのとおり。すごくイヤな気持ちだよね」と、父親は応じた。「きょうはずーっと、やきもちだった」そう言うと、妹は父親の力強い腕に身体を預けた。

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