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Wednesday, March 18, 2020

社説 相次ぐ強硬措置 分断や不信を防ぐ努力を - 信濃毎日新聞

 新型コロナウイルスの急速な拡大を受け、各国が外出禁止や入国制限、非常事態宣言といった強い対策を相次いで打ち出している。

 自国民の生命を守るため、緊急措置として必要との判断は理解できる。ただ、国家間の分断や不信を招かないよう留意すべきだと指摘しておきたい。

 中でも「最初の震源地」の中国と、欧州などに次ぐ「第3の震源地」になりかねない米国が対立を深めているのが心配だ。

 各国のリーダーは浮足立つことなく、冷静に力を合わせて立ち向かってもらいたい。

 米中対立のきっかけは米国高官の発言だった。中国が初期対応で「隠蔽(いんぺい)」をし、世界の対応の遅れにつながったと非難した。

 これに対して中国側は「米軍が武漢市に持ち込んだのかもしれない」と主張。共産党系メディアは、欧米の対応が甘く、感染拡大を許したと「反省」を求めた。

 子どものけんかのようだ。その中心にいるのは選挙を控えたトランプ米大統領である。

 当初は感染拡大の危険を「でっち上げ」と言っていた楽観が裏目に。「危機に弱い指導者」との批判をかわそうと、責任転嫁に躍起だ。SNSに「中国ウイルス」と書き込み、挑発をやめない。

 欧州からの入国禁止も唐突だった。演説で「輸入も禁止」と言い間違え、混乱ぶりが株価急落の一因になった。事前連絡もなかった欧州は「一方的だ」と反発。先進7カ国首脳が緊急テレビ会議を開いた背景には、欧米間の深刻な不信がある。

 欧州連合(EU)も大混乱だ。域内の移動の自由という基本理念に反し、ドイツが入国制限に踏み切った。国民に外出制限を命じたフランスのマクロン大統領も「戦争状態だ」と連呼した。

 両国などは加盟国にさえ医療用品の供給を制限するといい、欧州委員長が結束を求めて批判した。

 感染がさほど広がっていない国でも非常措置が相次ぐ。恐怖のドミノ倒しにも見える。

 世界保健機関(WHO)は力量不足を露呈している。入国制限の乱用を避けるよう訴えるが、多くの国が従わない。事務局長が「疑わしい例はすべて検査を」と強調した直後、内容を修正する注釈を示す失態も。不確かなメッセージで信用を落とした。

 危機を直視し、効果的な時期に合理的な措置で管理するのが政治指導者であり、協力させるのが国際機関だ。恐怖に支配された分裂は世界を一層不安定にする。

(3月19日)

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