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Monday, June 14, 2021

今度はESAから。金星探査ミッション「EnVision」が発表! - GIZMODO JAPAN

2030年代は金星探査ラッシュ?

NASAがふたつの金星ミッションを発表してから1週間しか経っていませんが、楽しみなミッションがもうひとつ増えました。欧州宇宙機関(ESA)が2030年代初めに打ち上げ予定の金星に向かう探査機「EnVisionを発表したのです。

ESAのGünther Hasinger科学局長は、「われわれに最も近くて、でも大いに異なる太陽系の隣人への探査における新時代が待ち受けています」とプレスリリースで語っています。「発表されたばかりのNASA主導の金星ミッションと共に、この謎めいた惑星について次の10年へと続く非常に包括的な科学プログラムがあることになります」とのこと。

隣の惑星はあらゆる謎に包まれています。どうしてそれほど高温になったのか? なぜそんなに大気は有毒なのか? 活火山はまだあるのか? どうにかして生命は大気中に存在できるのか? 手短に言えばこんなにも地球と異なる進化を遂げた理由です。EnVisionはそれらの解明を目指して、NASAのVERITASとDAVINCI+ミッションと同時期に金星に向かいます。NASAのふたつのミッションのうち、EnVisionに似ているのはVERITASの方。どちらもオービターですからね。一方、DAVINCI+は地表に降り立つことを目指しています。EnVisionには金星の地下の層や内部構造、重力場、大気そして表面の組成を解明する機器が搭載される予定。これらのミッションが合わされば、金星の現在の状態と進化過程についての精密で包括的な情報を得られるでしょう。

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EnVisionミッションは、地球と金星がどうして異なる進化を遂げたのか解明を試みます
Illustration: NASA / JAXA / ISAS / DARTS / Damia Bouic / VR2Planets

NASAによる金星へのミッションは1994年に締めくくられたマゼラン探査機が最後ですが、ESAは最近まで探査機を送っていました。ビーナス・エクスプレスは2006年に金星に到着し、2014年末にミッションを終了。日本のJAXAも2015年から金星を周回している探査機があって、大気を観測しています。しかし、2030年初めに打ち上げるということは、探査機には四半世紀分の進化を経た技術が詰め込まれるということです。

ディスカバリー計画の一環であるNASAの金星ミッションのようにEnVisionオービターもコンペを経て選ばれていて、最終候補にはTheseus (the Transient High-Energy Sky and Early Universe Surveyor)も挙がっていました。ESAの科学委員会が最終的に選んだのはEnVisionですが、Theseusへの関心は失われていないようなので、もしかしたらまた今度実現のチャンスはあるのかもしれません。

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Image: NASA/JPL

NASAの科学副局長Thomas Zurbuchen氏はプレスリリースで「金星を調べるというESAのワクワクするような新ミッションに貢献できることに興奮しています」と発言。「われわれ双方による機器開発での強みをEnVisionは活用します。金星に向かうNASAのディスカバリー計画と組み合わされば、科学コミュニティは金星の形成の過程と、表面と大気の経時的な変化を理解するための強力かつ相乗的な新データを得られるでしょう」とも述べていました。

EnVisionオービターは進行中のESAミッションであるソーラー・オービター、ユークリッド、PLATO、ARIELの輪に加わります。そのうち現時点で打ち上げられているのはソーラー・オービターのみで、残りは2020年代中に打ち上げ予定。すべてが順調にいったとすればEnVisionの打ち上げはその後の2031年から2033年にかけて行われ、その3年後に金星に到達するはずです。

Source: ESA (1, 2),

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