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Sunday, January 10, 2021

プロレス界一のゲーム好き!? ケニー・オメガがAEW GAMEで目指す究極のプロレスゲームとは? - IGN JAPAN

発足からわずか一年で世界にその名を轟かせたプロレス団体、AEW(ALL ELITE WRESTLING)。その中心人物であり、日本でも数々のタイトルを獲得したトップレスラーであるケニー・オメガは、先日のオンライン会見にてAEWのゲーム部門の設立を発表し、2本のスマートフォン向けゲームのほか、コンソール向けゲームの開発がすでに進行中である旨を発表した。開発を担当するデベロッパーは、ケニーの指名を受けた日本の老舗メーカーであるユークス。そして、数々の名作プロレスゲームを手掛けたゲームデザイナーである岩下英幸氏がアドバイザーとして就任すると述べられた。

驚きのニュースに接して、今回のゲームプロジェクトの仕掛け人であり、ディープなゲーマーでもあるケニー・オメガに、急遽インタビューをおこなった。

なお、本インタビューは現在開発中のタイトルに対してケニーが希望する内容であり、実際に発売されるゲーム内容と今回のインタビューにおける発言が必ずしも一致しない点は留意されたい。

――今回の発表は、プロレスファンにもビデオゲームファンにも大きな驚きを与えました。特にアメリカのプロレスファンはゲーマーと重なる部分が多く、日本以上の反応があったのではと思います。現在開発中の本作について、まずは教えてください。

アメリカのプロレスファンの間では、2000年に発売された『バーチャル・プロレスリング』や『WWF No Mercy』といった名作プロレスゲームは非常に人気があるし、そういったプロレスゲームの開発は、長いあいだ望まれていたんだ。僕にとってベストのプロレスゲームは、『バーチャルプロレス2 王道継承』だしね。そういった過去の作品のスタイルを保ちながらも、現代のゲームシーンに合った、スピーディなゲームを作っていきたいと思っていた。

2019.5.25 クリス・ジェリコとのシングルマッチ

この2つのゲームに特徴的なシステムの一つとして、カウンターがある。けれどもこれは確実に発生させられるわけではなくて、実際に何が起こるかわからなかったり、確率で起こらなかったりも多かった。起きたらラッキー、くらいの感じかな。

まだ最終的な形は決まっていないけど、僕の希望としては、カウンターや返し技に関しては、正確なタイミングで入力すればカウンターをする確率が上がるとか、そういった部分をプレイヤーの意思できちんと操作できるようにしたい。

カウンターというのは、従来のプロレスゲームでは確率的に発動率が低かったり、特定の条件を満たさないといけなかったりするけど、プレイヤーがより分かりやすくそういった動きを実現できるようにしたいね。

僕は『キングオブコロシアム』も好きで、そのエンジンで使っている部分も取り入れていきたいと思っている。『キングオブコロシアム』は試合開始直後でもいつでもフィニッシャーを使えて、そこが好きなんだ。実際の試合でも、いきなり序盤で必殺技が決まることってあるよね。スタイルなどについてもすべてがまだ決まっているわけではないし、もちろん試合の流れであったりとか、そこに行くまでの盛り上がりとかが関係するかもしれないけど。そのあたりのシステムとかに関しては実験中で、いろいろ試しているよ。

2019.5.25 クリス・ジェリコとのシングルマッチ

――『バーチャルプロレス2 王道継承』があなたにとってベストのプロレスゲームである理由を教えてください。

まず大きな要素の一つとして、使用できるレスラーのバラエティの豊富さだね。使えるムーブもたくさんあるし、必殺技――バーニングスペシャルというんだけど、そういった特別な動きを作ることもできる。全日本プロレスの選手に関して言えば、入場曲も実際のものをちゃんと使ってる点も大きい。当時のプロレスゲームの中では唯一、総合格闘技にも対応できる素晴らしいエンジンを使っていた。

それに多彩な国籍のレスラーもたくさんいたから、僕自身にとっても馴染みやすかったね。そういう意味では、インターナショナルなゲームでもあったよ。

――現在シリーズ継続中のプロレスゲームですと、「WWE 2K」シリーズが代表的な作品として認知されています。

僕のプランでは、AEWのコンソールゲームに関しては、WWEの2Kシリーズと競合することにはならないし、比較するつもりも全くない。たとえば2Kシリーズのゲームスタイルは、WWEでやっている試合に近いものをゲームで再現するという側面が強い。モーションキャプチャーを使って、レスラーの動きを取り込んだりとかもそうだね。

我々がなぜ岩下英幸さん(『バーチャル・プロレスリング』シリーズなどを手掛けたディレクター。現在開発中のゲームのアドバイザーでもある)の手を借りているかというと、彼ならば、そういったキャプチャーなどを使わずに、動きをより本物らしくできるからなんだ。

――ボリュームやゲームモードに関して、想定している内容はありますか?

参戦選手については、今すぐに具体的な数字は出せないけど、AEWの選手も日々増えているし、リリースまでにどんどん増えていくと思うよ。

ひとつだけ言えることは、中澤マイケル(AEWのレスラー。ケニーの通訳も担当している)はリリースバージョンには入りませんってことかな。

キャンペーンモードは入れるつもりだ。ミニゲーム的なものも遊べるし、オリジナルのレスラーをエディットできるようにもしたいね。そこではもちろんルル ペンシル(筆者のリングネーム)も作れるよ。

入場曲も、実際の選手の入場曲を使えるようにするつもりだよ。ルルの入場曲を入れてもいいし。

2019.5.25 クリス・ジェリコとのシングルマッチ

――恐れ多いです!遊べるのはいつごろになりますか?

2021年の発売を目指したいけど、かといって無理に急がないようにはしてる。ゲーム開発には何が起こるかわからないことも知っているからね。

――もともと、AEWの出資者であるトニー・カーンはプロレスゲームに興味を持っていたんでしょうか?

トニー・カーンはビデオゲームに大きな関心は持っていなかったみたいだけど、ケニー・オメガが重要だと思うなら、ということで快諾してくれたよ。僕にとってはビデオゲームは人生のすごく大きな部分だし、そのことをもちろん彼は知ってるからね。僕への信頼イコールビデオゲームへの信頼なんだ。

――海外では特に、ゲーマーとプロレスファンは重なることが多いですね。

10年、20年前に比べて、プロレスファンとゲームファンの関係性は濃くなっている。現在AEWを見ているファンたちの中でも、AEWのゲームや、プロレスゲームが欲しいって言う気持ちは強い。

昔は必ずしも、プロレスが好きだからプロレスのゲームを遊ぶというわけではなかったかもしれないけど、今は違う。面白いプロレスゲームをやりたいとみんな思ってる。

そういう意味では、AEWのゲームの発表に関しては、プロレスファンたちがゲームに関してエキサイトした、久しぶりの瞬間だったんじゃないかな。

2020.5.23 スタジアム・スタンピード

――プロレスゲームに限らず、今遊んでいるゲームは何ですか?2020年のGOTYも教えてください。

今、まさしく『龍が如く7 光と闇の行方』を遊んでいるよ。GOTYは、『FINAL FANTASY VII』だね。待ちに待ったタイトルだったけど、100%満足している。このゲームをプレイできて、とても幸せだ。

――AEWの成功は歴史的にも驚くべきものです。プロレスファンは、AEWのどのような点に熱狂しているのでしょうか?

プロレスファンは常に、今までと違うものを求めている。だからAEWでは、その願いに応えるべく、世界中の指折りのレスラーたちが何人も集まって、今までにないものを見せている。だからファンもどんどん惹きつけられるし、次は何をやってくれるんだろうとますます期待する。

AEWのいいところは、会社の中が常にフレンドリーな状態だということかな。自分の意見が言いやすいから、一つのやり方にこだわらず、「それいいね」となればいろんなレスラーのアイディアを取り入れて、違うものを出していける。

2020.5.23 スタジアム・スタンピード

――ゲーム開発もそうですが、プロレスラー、ケニー・オメガ個人としての今後の目標は?

AEWにいる上で非常にラッキーなことは、自分のやりたいことに挑戦できる環境だということだ。2020年は、英語圏で最大級のプロレスメディアであるのレスリングオブザーバーでホールオブフェイム(殿堂入り)にも選ばれた。

今まで僕は、シングルマッチでたくさんのベストバウトを提供してきたし、タッグに関しても同じように素晴らしい試合をしてきた。シネマティックな試合でもそうだし、ハードコアやミックスドマッチなど、様々なスタイルでベストな試合を提供してきた。これからもそうしていきたいと思っているよ。


このインタビューを行った日の翌週、ケニー・オメガはジョン・モクスリーとの試合を制し、AEWワールドチャンピオンに輝いた。ゲーマー、そしてプロレスラー、ケニー・オメガの躍進はこれからも続いていく。

AEWの試合は、公式youtubeチャンネルで一部が見られるほか、格闘技専門チャンネル「FITE TV」の有料会員になることで、毎週のレギュラー放送が視聴可能だ。

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