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Wednesday, April 22, 2020

キム・カーダシアンとカニエ・ウェストが夢に描いた自宅を初公開。 - VOGUE JAPAN

カニエとキム・カーダシアン・ウェストが初めてこの個性的なロサンゼルス郊外の邸宅を目にしたとき、それぞれの反応はまったく異なるものだったそうだ。「ノースを産んだばかりの私は産後太りを解消するためにこのあたりをカニエとよく散歩していたの」とキムは2013年夏にこの家を初めて見たときのことを語る。

「当時の私は、カニエの好みのスタイルをまだそれほどよくわかっていなかったけれど、この家は完璧だと思ったわ。だけどカニエはそれほど感銘を受けていなくて、『使えないこともなさそうだね』って言っていた」

それから約7年が経ち、さらに3人の子どもたちが生まれたいま、カニエとキムはこの家を、この地球上で最も魅力的で、超然としていて、そう、かなり変わった自宅につくりかえた。カニエ自身が誇らしげに言う言葉を借りるなら、郊外のありがちな豪邸から未来的なベルギーの修道院へと大変貌を遂げたのだ。

設計やインテリアデザインにカニエの関心が集中したのは最近のこと。とはいえ、彼は長年、都市や建築が構築する環境に興味を抱き続けてきた。

アーティストのイザベル・ロウワーが制作した巨大なソフトスカルプチャーの周りでくつろぐウェスト家の人々。キムとカニエの間には4人の子どもたちがいる。〈左から〉シカゴ、カニエ、ノース、セイント、サーム、そしてキム。この部屋はアートの展示スペースでもあり、子どもたちの遊び場でもある。

「インターネットが普及する前、まだシカゴで暮らしていた若いころ、よく地元のバーンズ・アンド・ノーブルに行っては『Architectural Digest』などのデザイン誌、ファッション誌、ラップ誌をチェックしていたんだよ」とカニエは言う。「父親はそんな俺を応援してくれた。いつだって俺が絵を描くためのグラフ用紙に不自由しないようにしてくれていたんだ」

仕事で成功を収め、どんどん大金が入ってくるようになると、カニエのデザインマニアぶりにも拍車がかかり、パリのフリーマーケットや世界各地のデザインフェアの常連になり、ジャン・ロワイエのオリジナルのポーラベアソファのような高価な品を購入するまでになった。「俺はロワイエを手に入れるためにメルセデス・マイバッハを売ったんだ。そんな大金を払うなんてイカレてるとみんなから言われたけど、俺はどうしても手に入れたかったんだ」。

「カニエと出会う前の私は、家具についてほとんどなにも知らなかったの」とキムは認める。「だけど、彼といっしょにいることがすごくいい勉強になっている。いまではうちにどんなものがあり、なぜそれが貴重なのかを知っていることを心から誇りに思っている」   

カニエが最も惹かれた「わび・さび」の美意識。

アイランドキッチンには辻村史朗の作品。

いっしょに世界各地のデザインワールドをめぐるようになったカニエとキムはやがて、著名なベルギー人建築家でキュレーター、コレクター、美術商、インテリアデザイナーでもあるアクセル・フォーヴォルトと知りあう。カニエはフォーヴォルトとオランダのマーストリヒトおよびイタリアのヴェネツィアで開催されたアンティークフェアや展覧会で出会ったのだった。

なお、当初カニエの興味の対象はおもにフォーヴォルトの代表的デザイン、つまり、彼の全作品に満ちている「わび・さび」の美意識と魅力的な簡素さを内包しているかのようなフローティングストーンテーブルに集中していたという。

「彼がどんな仕事をしているかを見て、俺はこう思ったんだ。この人ならバットマンの家だって設計できる。俺は絶対にこの人と家づくりがしたいとね」カニエはそこで言葉を区切り、こう先を続ける。「基本的によくある豪邸にすぎなかった我が家のリノベーションのために、わざわざアクセルにカラバサスまで来てもらえるなんて、すばらしい名誉さ」

浅いプール。

確かに、あまり縁のなさそうな者同士の出会いだったとフォーヴォルトは告白する。「私はポップカルチャーの世界、ラッパーの世界の人間ではない。しかしながら、キムとカニエがすばらしい人たちだということはよくわかったんだ。私たちには共通の価値観、人として大切にしている価値観がある。たとえば、アートの美や精神性に敬意を払うというような」とフォーヴォルトは語る。

「それを宗教と呼ぶこともできるけれど、これはやっぱり宗教を超えた、平和だとかポジティブなエネルギーといった宇宙的な価値の探求ではないかと思う。私たちは心の空間や静けさの大切さなどについてのとても深い会話をしたんだよ」

窓の下にはヴァネッサ・ビークロフトの彫刻が飾られている。

当然のことながら、これらの会話にはウェスト夫妻が自宅を「再創造」しようと考えていることも含まれており、フォーヴォルトはこの自宅改修のプロセスを「蒸留」という言葉で表現している。「カニエとキムはこれまでになかったようなまったく新しいものを望んでいた。私たちは装飾についての話はせず、いまどのような暮らし方をしていて、今後どのように暮らしていくかについて、ある種、哲学的な話をしたんだ。私たちは浄化することによって家を変化させ、どんどん無垢で清らかなものにしていったんだよ」とフォーヴォルトはそう説明する。

こうした高邁な野心はこの家の多くの部屋の大がかりなプロポーションの変更として結実している。これらの部屋はいずれも、発光するように明るいオフホワイトのしっくいが塗られ、そこにオフホワイト以外の淡いニュートラルカラーのアクセントが配されている。

「それぞれの部屋の個性的なプロポーションこそが装飾になっているんだ」カニエはこの格調高い建物についてそう説明する。最小限にとどめられた調度品類はおもに、フォーヴォルトらしい洗練されたデザインのものや、ロワイエやピエール・ジャンヌレのようなデザイナーたちの相性のよい品から構成されている。

リビングにはジャン・ロエールの椅子とテーブル。

「カニエと私の共通点のひとつが、ニュートラルカラーが好みということだったの。私はこの家のシンプルさを心から愛しているわ。外の世界のありとあらゆるものはあまりに混沌としているから、入ってすぐに深い静けさを感じるような場所が好きなの」とキムは言う。もっとも、ミニマリズムに徹した方針に対して、キムは少し異なる視点の提供役を担っているという。

「カニエはどう考えても非現実的なアイデアを思いつくことがよくあって、そんなとき私はこんなふうに言うの。『それは無理よ。私たちには収納が必要だってば!』とね。私は実用性の代弁者だったというわけ」

朝食コーナーには、アクセル・フォーヴォルトのカスタム・テーブルが。

オフホワイトの廊下。

ひょっとしたらあなたは、こんなにも汚れひとつないクリームカラーだらけの環境で4人の幼い子どもたちを育てる大変さに思いをはせるかもしれないが、キムとカニエは即座にこう指摘する。この家は子どもたちにとびきり優しい仕様になっているし、それは家の中に他の部分よりもはるかに雑然とした昔ながらのプレイスペースや主要な社交空間の奥に隠された子ども部屋が存在しているというだけではないのだと。

「子どもたちは廊下でスクーターに乗って遊ぶし、アクセルがデザインした低いテーブルの上でもはねまわって、それをほとんどステージ代わりにしてる。この家は一種の実験的住宅かもしれないが、俺たちにとってのこの家はあくまでも家族を中心に据えたものなんだ」カニエはそう強調する。そして、キムも夫の言葉を後押しする。「要するに、私たちはこの家を重大視しすぎてはいないの。狂信者みたいになるつもりはないわ」彼女はそう言う。

ちなみにカニエが「アクセルが90パーセント」だと言うこの家だが、ほかにも何人か著名な建築家たちがそのプロセスに携わっている。たとえばミニマルデザインの巨匠である建築家クラウディオ・シルヴェストリン(キムと結婚する前のカニエのマンハッタンのロフトを手がけた人物)は、ゆったりとしたマスターバスを設計した。

また、ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンはリビングルームおよび子ども部屋のインテリアコーディネートに協力した。さらに、ピーター・ヴィルツの指揮のもとに、ヴィルツ・インターナショナル・ランドスケープ・アーキテクツがあえて緑一色にまとめた新芽あふれるガーデンの設計を監督した。

廊下にはピエール・ジャンヌレのアームチェアがある。

キムとカニエのこの隠れ家のなかで、ひとつ面白い部屋をあげるとすれば、アーティストのイザベル・ロウワーが制作した巨大な怪物めいたソフトスカルプチャーの専用空間だろう。このスペースはプレイルームなのか、それともひとつのアートインスタレーションなのかとたずねられ、疲れ知らずで挑発的なカニエははっきりそのいずれかと言うことをためらう。

「俺たちがやっていることはすべて、アートインスタレーションであり、子どもたちのためのプレイルームでもあるんだよ」

Photos: Jackie Nickerson   Text: Mayer Rus

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April 23, 2020 at 08:09AM
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