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Sunday, September 5, 2021

野田聖子・自民党幹事長代行が「総裁選、出るわよ」 子どもも国民も背負って首相を目指す覚悟 - goo.ne.jp

野田聖子・自民党幹事長代行が「総裁選、出るわよ」 子どもも国民も背負って首相を目指す覚悟

総裁選へ意欲を示す野田聖子・自民党幹事長代行(撮影/写真部・張溢文)

(AERA dot.)

 菅義偉首相が電撃退陣を表明し、政界が大混乱に陥っていた3日夜。筆者の携帯電話が鳴った。表示された名前は、野田聖子。「首相に最も近い女性」は開口一番、「総裁選、出るわよ」と言い切った−−。かつて番記者を務めた筆者に野田氏が語った「勝算」と、出馬を後押しした意外な「一言」とは。「AERA9月7日発売号」掲載のスクープインタビューから抜粋する。

*  *  *
──菅義偉首相が自民党総裁選不出馬を表明しました。ズバリ、立候補しますか。

 今日(3日)、立候補を目指すと決めました。首相になるという思いはずっと変わらないんだけど、改めて「家族に負担をかけることになるな」と思い、夫に「立候補していい?」と聞いた。夫は何の躊躇も無く「もちろん!」と答えてくれました。その言葉を聞いて、必ずやり遂げるぞとの思いが強まりました。

──これまでは20人の推薦人集めに苦労してきました。

 そうだね。ものすごく強い相手に対して私ぐらいしか立ち向かおうとしなくて。結果的に立候補もかなわなくて、苦しい思いをしてきた。でも今回は状況が違う。私からガツガツ「支持してください」とお願いするというよりは、今の状況に疑問がある人たちの「受け皿」として、大きな期待が寄せられているのを実感しています。

 期待してくれているのは、多様性を求める人たちだと感じます。少子化対策や女性の権利など、社会的に弱い立場に置かれる人たちを大切にする政策を変わらず訴え続けてきた私に期待してくれているのではないでしょうか。

──当選したら、子育てと国のトップを両立させることになります。

 外遊もある、危機対応もある。家族に負担をかけることになるのは間違いないけど、幸い私には私以上に息子を愛してくれる夫がいます。協力し合うことで必ず乗り越えられると思っています。それに、我が子というたった一人の存在を背負えない人間は、1億2千万人の命も背負えないと考えています。

──幹事長代行として菅政権の中枢にいた野田さんが、次期首相としてふさわしいのかという見方もあります。

 特に新型コロナ対策では、私の息子が重篤な基礎疾患を持っているということもあり、自民党の中で誰よりも責任を持って取り組んできたつもりです。

──そのコロナ対策や東京五輪への対応では、菅首相や森喜朗氏に象徴される「おじさん」たちによる旧態依然・前例踏襲型の政治や意思決定が、柔軟性の無さや閉塞感を生んできたように感じます。

 私はね、そうやって「おじさん」という仮想敵を作って、ひとまとめにして、「あいつらが悪い」ってやるのは、逃げじゃないかと思っています。

 私たちが闘っている相手は、おじさんではなく、歴史なんです。世の中は法律に基づいて動いていて、生活を縛るのは民法や刑法です。被害者の9割以上を女性が占める強姦罪(現在は強制性交等罪)は刑法、女性の9割以上が姓を変えなきゃいけない夫婦同姓は民法。どっちも100年以上前にできた法律です。若い男の人によって明治維新という改革があった時代。ただその頃は家父長制というのがあって、女性は一緒に食卓を囲めず台所で食べる。鯉のぼりだってお母さんの鯉はなかった。「女性は家にいなさい」という時代に即した法律なんです。

 でも今の日本政府は女性に「働いてください、社会活動してください」とお願いしている。夫婦別姓にしても、実は国勢調査で一番多い家族のあり方は一人世帯なんです。女性が社会で活躍し、結婚しない人や結婚しても1人になった人が大多数という今の日本に合った法律にするために、100年前の明治政府や、女性が社会の中心にいなかった時代の経済学や社会科学と闘わなきゃいけない。目の前の男性議員が相手ではありません。

──おじさんが抵抗勢力、という見方は間違いだと。

 そう。抵抗ではなくて、無関心が問題なんです。自分たちで法律を変えられるはずの議員でさえ無関心。これは女性の権利などについて十分教育されていないという面もありますが、やはり政策決定の場面に女性が少ないというのが大きな原因です。最低でも3割、本当に意味のある議論をするためには5割が女性にならないとダメ。無関心は知らないからなんです。

 たとえば今私はフェムテック(女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決できる製品やサービス)に力を入れているんだけど、男性たちは、タンポンやナプキンを使うことの不快さを知らない。男性だけだと、そこには永遠に理解が生まれない。男女があけすけに話し合って、お互いを知り合うことで、「そうなんだ」「それいいじゃん」っていうふうに新しいものを作り出せる。そして、男女という違いの先に、一人一人の違いがある。その違いを知っていくことが、マイノリティーや多様性への理解につながるんです。

(朝日新聞社・上栗崇)

※9月7日発売「AERA9月13日号」より抜粋。誌面ではさらに、女性議員をどう増やしたらいいかなど持論を語っています。続きは誌面で。

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